車の乗り換えや売却を検討している方のなかには、さまざまな車買取業者へ査定を依頼して最も高額なところで売りたいと考えている方もいると思います。
そういった際に利用すると便利なのが「車の一括査定サイト」ですが、一部では営業電話が多すぎるなどの理由で、利用しないほうがいいという声も少なくありません。
そこでこの記事では、車の一括査定はやめたほうがいいといわれている理由や、一括査定のメリット・デメリット、高額で売却するポイントなどについて解説していきます。
残クレで購入した車も、ディーラー以外の中古車買取業者に売却してもまったく問題ありません。むしろ、ディーラーの下取りよりも数十万円も高く売却できるケースも有るため、買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
クルマ買取オークションの「ユーカーパック」なら、しつこい電話がかかってきたり沢山の業者と会ったりすることなく、最大8000の業者が参加する中古車オークションに出品できるため、手間なく高額売却が可能です。
車両情報などを入力後(約30秒で完了)に概算の査定価格も確認できるため、すぐに査定価格を調べることもできます。
そもそも車の一括査定とは?
一括査定とは、Webから一度申し込むだけで、複数の買取業者に査定を依頼できる無料のサービスです。
通常の査定依頼は、電話もしくは買取業者のホームページ、直接店舗へ足を運ぶかのいずれかで申し込みます。
1社のみ査定を受けるなら、それでも問題ありませんが、複数社で査定額を比較したいときは非常に時間がかかる作業です。それが一括査定サイトであれば、一度で済みます。
また、多くの一括査定サイトは大手や地域の買取業者と提携しているため、近場の買取業者を自動的に抽出されて査定先を探す手間も減らせます。
車の一括査定サイトを利用する流れ
車の一括査定サイトを利用する際のおもな流れは、以下のとおりです。
1.車の一括査定サイトの入力フォームから査定を依頼する
2.複数の買取店から連絡が来る
3.査定場所と日程を決定する
4.各社の査定を受けて査定額を比較する
5.納得できる金額の提示を受けた業者と売買契約を結ぶ
上記のとおり、実際の査定額を知るためには現車を確認してもらう必要があります。
多くの業者に査定してもらうことで高額査定を狙えるのが、一括査定の大きな特徴です。
実際に車の一括査定を利用してみた結果【ディーラー下取りとの差額】
実際に一括査定では、高額買取が期待できるのでしょうか?せっかく時間をかけても高額査定を期待できなければ、利用するメリットは薄くなってしまいます。
ここでは、筆者が実際に一括査定を受けた際の一例を、ディーラーでの下取り価格と比較してご紹介します。
査定を受けた車両情報は以下です。
査定時期:2022年5月
車種:HONDA ステップワゴン クールスピリット ガソリンモデル
年式:2019年
オプション:純正リアモニターのみ
走行距離:2.1万km
車の状態:目立つ傷なし
こちらの車両を事前にディーラーで下取り見積もりしてもらったところ、査定額は205万円でした。
その後、一括査定サイトの「ナビクル」で査定依頼して3社に金額を出してもらったところ、A社は250万円、B社は270万円、C社は280万円となりました。
最高額を付けてくれたC社と、ディーラーでの下取り価格の差はなんと75万円です。
あくまでも一例ですが、少なくともディーラーの下取りよりは、高値での売却を期待できるでしょう。
実際に売却したB社の契約書類。担当者の対応やそのほかのサポート面で、最高額を付けてくれたC社ではなくB社に最終的には売却しました。
実際に利用してみてわかった「車の一括査定はやめたほうがいい」と言われる理由は?
ここからは、実際に筆者が車の一括査定サイト(ナビクル)を利用してみてわかった、「車の一括査定はやめたほうがいい」と言われる理由について触れていきます。
大量の電話がかかってくる
筆者が感じた「一括査定のここが嫌だな」と感じたポイントは、やはり「大量の電話がかかってくる」という点です。
買取業者にとって、一括査定は他社との競争のため、他社よりも早く連絡を取ろうして電話が多くなってしまうのです。
以下は、ナビクルで一括査定を依頼した際の着信履歴なのですが、複数社から複数回の着信があるため、1社の対応中にも何度も電話が鳴ります。
電話は申し込みの直後~翌日にかかってくることがほとんどです。依頼先が多いと、しばらく鳴り止まないため、申し込みは時間をしっかりと取れるタイミングでしましょう。
法外なキャンセル料・解約金を請求されることがある
もう1点、一括査定は辞めたほうがいいと言われる理由に、『キャンセルを希望すると法外なキャンセル料や解約料を請求されることがある』という問題があります。
具体的には、契約後のキャンセルで「売却価格の10%」や「5~10万円」のキャンセル料を請求されるケースがあるようです。
車の買取業者各社は、「契約後のキャンセルはできません」と案内をしています。しかし、実はほとんどの買取業者で、車の引き渡し日翌日まではキャンセル料の支払い義務などもなく、キャンセルすることができる契約内容になっています。
車の売買に関する団体である一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)では、契約書のモデルとなる「モデル約款」を作っており、その約款では以下のように記載されています。
売主は本契約締結日から契約車両の引渡しを行った日の翌日までは、買主に通知することにより何等の負担なく本契約を解除することができるものとする
引用:一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)「モデル約款」
つまり、車を買い取り業者に引き渡した翌日までは、キャンセル料等の負担なく売却をキャンセルすることができるということです。
また、キャンセル料については、「JPUC行動基準」として以下のような記述もあります。
違約金(キャンセル料)の請求など、消費者の利益を一方的に害する内容を契約条項に定めてはならない
引用:一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)「JPUC憲章/行動基準」
こういった背景もあり、日本自動車購入協会に加盟している買取業者(JPUC会員事業者)であれば、キャンセル料が発生することは本体であればありません。
なお、これらの問題は一括査定というよりも車の売却自体のトラブルのため、一括査定サイトとは無関係な部分ではあります。
ただし、一括査定サイトからそういったキャンセル料に関するガイドラインが制定されていないのも事実です。
もしも契約に関するトラブルが発生した際は、一般社団法人日本自動車購入協会(0120-93-4595)にご相談することをおすすめします。
査定金額を高く伝えて後から値引きする業者もいる
今回売却した車は、残クレ(残価設定ローン)で購入していたため、他社に売却するにあたってディーラーの担当者と何度か話をしました。
そのなかで、「見積時には高額査定を出しておきながら、車の引き渡し後に何かと理由をつけて値引きしてくる業者がいる」ということを教えてもらいました。
そういった不誠実な業者にも一括査定に参加しているのは、「やめておいたほうがいい」と言われる理由のひとつでしょう。
減額理由としては、「フレームに修復歴が見つかった」「故障していた」などがあります。査定時に見逃した買取店側の落ち度であるにも関わらず、売り手側に負担を求めるようです。
なかには、査定金額を補償するサービスがつけられる買取業者もいるので、そういった業者を選ぶと安心できます。
車の一括査定のメリット・デメリット
一括査定は、車を高く売る手段の一つです。メリットも多く便利なサービスですが、デメリットも存在します。車の一括査定のメリット・デメリットを3つずつ見ていきましょう。
メリット
車の一括査定のメリットを、3つに分けて解説します。
メリット1.査定依頼が簡単
複数の買取業者に1社ずつ査定を依頼するとなると、車両情報や連絡先を何度も伝えなければならず、非常に面倒に感じるでしょう。その点、一括査定では一度の依頼だけで済みます。
メリット2.高額査定が目指せる
一般的に査定額は各業者でバラつきがあるため、より多くの買取業者に査定してもらうほど、高額査定が見込めます。これは買取店に、それぞれ車種やジャンルの得手不得手があるためです。
例えば、国産車を扱う業者に輸入車を査定してもらっても、適正な買い取り価格は期待できないでしょう。
一括査定サイトは、多くの買取店と提携しているため、高値を付ける業者と巡り合う確率が高まります。
メリット3.基本的に出張査定
一括査定は基本的に出張査定のため、店舗に出向く必要がありません。各業者を同じ日に呼ぶことができれば、時間的コストも大幅に削減できます。また、買取業者によっては、故障車や事故車でも出張査定を受けられます。
デメリット
次に、一括査定のデメリットを紹介します。
デメリット1.買取業者とのやり取りが多くなる
一括査定では、査定を依頼した買取業者の分だけやり取りが発生します。例えば、連絡を受けてから日程などを決めて交渉し、契約を結ばなかった業者へ断りの報告を入れるなどです。依頼先が多いほど、これらの対応が必要になるおそれがあります。
デメリット2.地域によっては買取業者が限られてしまう
一括査定といっても、近場に買取業者が少なければ選択肢は限られてしまいます。一括査定サイトが提携している買取店の数にもよりますが、地域差も大きく影響する要素です。
デメリット3.個人情報を入力する必要がある
前述のとおり、一括査定サイトの多くは出張査定が基本のため、少なくとも連絡先は入力することになるでしょう。正確な査定額を出すためには現車確認が必須となり、どこかで会う必要があります。したがって、個人情報の提示は避けられません。
おすすめの車一括査定サービス
デメリットもある一括査定サービスですが、メリットも大きいといえます。高額査定を引き出しやすい構造は最大の利点です。ここでは、車一括買い取りサービスについて解説します。
ナビクル
提携買取業者数 | 150社以上 |
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同時査定依頼数 | 最大10社 |
利用料金 | 無料 |
対応地域 | 全国 |
査定業者選択 | 不可 |
電話番号 | 0120-049-656 |
運営会社 | 株式会社エイチームライフデザイン |
ナビクルは、一括査定申込後にアンケートに回答すると、査定前に相場情報を教えてもらえます。提携業者数は少なめですが、対応地域も全国のため、まずは申し込みしてみるとよいでしょう。
また、申し込み後、査定依頼の中断がサイトから可能なため、数社と査定の予約が取れたら中断することもできます。
ナビクルの特徴
・利用実績はトップクラスの400万件以上
・アンケートに答えるだけで、申し込みと同時に相場情報がわかる
・JPUC(日本自動車購入協会)認定の買取業者とも提携しているため安心
・提携買取業者数が少なめ
・見積もりを依頼する買取業者を選択できない
カーセンサー
提携買取業者数 | 1,000社以上(現在非公表) |
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同時査定依頼数 | 最大30社 |
利用料金 | 無料 |
対応地域 | 全国 |
査定業者選択 | 可 |
電話番号 | なし |
運営会社 | 株式会社リクルートカーセンサー |
カーセンサーは、一括査定サイトのなかでは日本最大級のため、全国どこでも買取業者がヒットするでしょう。また、業者選択も可能です。絞り込みを行うことで、かかってくる電話の数を減らせます。
ただし、査定依頼の申込後に依頼を一括でキャンセルできないため、業者からの連絡に対応しなければなりません。
カーセンサーの特徴
・一度に申し込める最大査定数が圧倒的
・メールでの連絡を希望できる
・リクルートグループが運営しているので安心
・同時査定依頼数が多いため、大量の電話がかかってくることもある
・査定を申込後に一括でキャンセルできない
ズバット車買取比較
提携買取業者数 | 200社以上 |
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同時査定依頼数 | 最大10社 |
利用料金 | 無料 |
対応地域 | 全国 |
査定業者選択 | 可 |
電話番号 | 0120-979-216 |
運営会社 | 株式会社ウェブクルー |
使い勝手が評判のズバットは、最短で申し込むことができるでしょう。業者選択も可能なので、電話連絡の数を調整できます。また、電話サポートは初めて使うユーザーにとってありがたい機能です。手軽に一括査定を申し込むなら、ズバットで依頼してみましょう。
ズバット車買取比較の特徴
・申し込みが非常に簡単
・電話で相談できる
・候補のなかから買取業者を選択できる
・電話がしつこくかかってくる可能性もある
車の一括査定で電話の対応をしたくない人には「車買取オークション」がおすすめ
電話を最小限にしたい方や、交渉が苦手な方でも利用しやすいサービスが車買取オークションです。本来は資格がないと行えない、車買取オークションを代行してくれます。
ユーカーパック
ユーカーパックのオークションは、参加している買取業者が最大8,000社と非常に大きなものです。代行してくれる担当者のサポートを受けられるため、知識がなくても専門スタッフの指示に従えば問題ありません。むしろ、オークションという形式はあまり経験できるものではないため、楽しみながら車を売却できるでしょう。
また、オークションなので、少なくともディーラーの下取りよりは高値で売れることが多くなっています。8,000社もあれば、価値を見出してくれる買取店が見つかるでしょう。
車の一括査定の利用が向いている人・向いていない人
一括査定の利用をやめたほうがいい理由はたしかにありますが、どの売却方法でもデメリットはあるものです。一括査定を利用するかどうかは、自分の性格や環境に適しているかで判断するとよいでしょう。
ここでは、一括査定が向いている人と向いていない人について解説します。
向いている人
大量の着信があっても、特に気にせず対応できる方は一括査定を利用しても問題ないでしょう。1社ずつ対処すれば電話は減っていきます。また、サイトから査定依頼の停止が可能なこともあります。
電話対応のポイントとしては、査定場所や査定に都合が良い日を申し込む前に決めておくことです。そうすれば、電話を素早く終わらせることができます。
また、電話の対応は面倒だが、とにかく高値での売却を目指したい方も一括査定を申し込んでみる価値があるでしょう。高額買取を勝ち取るためには、できるだけ多くの業者に査定してもらい、競争してもらうことです。やり取りの手間を惜しまなければ、チャンスをつかみ取れる可能性が高まります。
向いていない人
電話などのやり取りに時間を割けない方は、一括査定ではなく別の方法を検討したほうがよいでしょう。やはり数社に見積もりをしてもらうのは、ある程度の時間がかかります。
また、電話対応が苦手・面倒と感じる方も、向いていないでしょう。一括査定サービスを利用するなら依頼先を3社以内に絞るなど、工夫すると良いかもしれません。
住まいが市街地から離れている方は、一括査定しても買取業者が見つからないことがあります。この場合は、一括査定をあきらめることになるでしょう。ただし、いくつかの一括査定サイトで申し込んでみると、提携先次第では見つかるかもしれません。
一括査定で車をより高く売るためのポイント
車を高く売るためにポイントを押さえておくと、より満足のいく査定額を引き出せるでしょう。ここでは、高値売却を目指すうえで大事なポイントを3つ解説します。
必ず複数社に査定を依頼する
一括査定の明確なメリットは、査定額を比較する点にあります。したがって、必ず複数社に査定をしてもらうことが大切です。電話で「相場は決まっているので、複数社から査定をとっても金額はほとんど変わらない」と言われるかもしれませんが、実際は差が出ることも少なくありません。
買取業者には、ミニバンやSUV、軽自動車など、何かのジャンルに特化しているなど、それぞれに得意なジャンルやメーカーが存在します。もちろん、オールジャンルに対応しているケースもありますが、特化している買取業者のほうが専門的な知識を活かし、高額査定をしてくれるかもしれません。限定車や、装備品などに価値を見出してくれる可能性もあるでしょう。
したがって、対応できる範囲内で、複数社へ査定を依頼することがおすすめです。
事前にディーラーで下取りを取っておくのがおすすめ
もし、新車への乗り換えを検討しているのであれば、まずはディーラーで下取り価格を出してもらうとよいでしょう。その後に一括査定を申し込むことで、納得の価格を引き出せるかもしれません。下取り価格を目安に交渉することで、それ以上の高額買取を期待できるためです。
ディーラーのメインは新車販売であるため、下取り車を効果的に活用するノウハウが買取業者ほどないといえます。また、下取り車が他社メーカーの場合は、知識不足で適正価格を出すのは難しいでしょう。
その点、一括査定で多くの買取業者に査定してもらえば知識を持った買取店が見つかり、高額買取のチャンスが広がります。それぞれを比較することで、納得の売却につながるのです。
基本的には営業の「今決めてください」や「他の業者は呼ばないでください」は断る
一括査定の構造上、営業担当者は強気で出てくることがほとんどです。
交渉の際、「今決めてください」「今決めていただければ○○万円で買い取ります」など、売り手の心理をうまくついてくることがあります。しかし、そこで決めてしまうと一括査定のメリットを活かせないので、いったん持ち帰るのがおすすめです。
そうすることで冷静に査定額を比較し、高値での売却が可能になります。ほとんどの営業担当者が「相場があるので他社と差が出ることはありません」と言ってきますが、実際には業者によって差があります。
また、同じく「相場があるから」という理由で、他の業者を呼ばないようにお願いしてくる業者もいますが、これも断るようにしましょう。
したがって、営業担当者のセールストークはいったん丁寧に断ったうえで、数社からの査定を比較検討してから返事をするようにしましょう。
「車の一括査定はやめたほうがいい」と言われる理由まとめ
車の一括査定サービスは、やり取りが苦手な方にとってハードルが高いかもしれません。電話の数が多いうえに、なかには悪質な業者もいるため、準備もしくは注意が必要といえるでしょう。
ただ、高額買取を狙ううえでは、有効なサービスだといえます。サポート体制やJPUCに加盟店と提携しているチェックするなど、工夫して利用するとデメリットを小さくできるでしょう。
車の一括査定はやめたほうがいいとされる理由を把握しつつ、上手に利用すると、納得の売却につながります。どうしても価格に納得がいかない場合は、車買取オークションを利用して、高値売却を目指しましょう。
残クレで購入した車も、ディーラー以外の中古車買取業者に売却してもまったく問題ありません。むしろ、ディーラーの下取りよりも数十万円も高く売却できるケースも有るため、買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
クルマ買取オークションの「ユーカーパック」なら、しつこい電話がかかってきたり沢山の業者と会ったりすることなく、最大8000の業者が参加する中古車オークションに出品できるため、手間なく高額売却が可能です。
車両情報などを入力後(約30秒で完了)に概算の査定価格も確認できるため、すぐに査定価格を調べることもできます。