初めての就活では、「履歴書の書き方がわからない」という人も多いでしょう。
会社員として働いた経験がないために、「そもそも自分は履歴書を書けるのだろうか」と疑問をもっている人もいるかもしれません。
結論から言えば、会社員の経験がなくても履歴書は書けます。
印象が良くなるように書き方を工夫すれば、書類選考を突破する可能性も高められるでしょう。
本記事では、特に「職歴なし」のケースを取り上げ、印象の良い履歴書の書き方を説明します。
また、併せて就職支援サービスを活用するメリットも解説するので、ぜひ就活の参考にしてください。
職歴なしでも履歴書は書ける
「職歴(職務経歴)」とは、「いつ・どのような仕事に従事していたか」を記したもののことです。
履歴書では、通常は会社員(正社員や派遣社員)としての経歴をまとめて記載します。
そのため、「会社員経験がなければ履歴書は書けないのでは」と考えてしまうかもしれません。
まずは、職歴がない場合に履歴書をどのように書けば良いのかを説明します。
アルバイト歴を書いてもOK
アルバイト(またはパート)の経験は、職歴に含めないのが一般的です。
例えば、会社員・アルバイト両方の経験があったとしても、履歴書には会社員としての経歴しか記載しません。
しかし、これでは会社員経験がなければ、履歴書に書ける職歴がなくなってしまいます。その場合は、アルバイト歴を書いても問題ありません。
就活においては、アルバイトで得たスキルなどが採用担当へのアピールになることも少なくないためです。
会社員経験 | アルバイト経験 | 履歴書に書く職歴 |
---|---|---|
あり | あり・なし | 会社員としての経歴を記載 |
なし | あり | アルバイト歴を記載してOK |
なし | なし | 完全な職歴なし |
なお、会社員・アルバイトいずれの経験もない場合は、完全な「職歴なし」となります。
完全な職歴なしでも空欄はNG
履歴書では、何も書くことがないからといって、職歴の部分を空欄にするのはマナー違反です。
空欄にしてしまうと、採用担当から見たときに書き忘れと区別ができません。不要な誤解やトラブルを避けるためにも、書き忘れたのではないことがわかるように記入しましょう。
詳しい書き方については後述しますが、会社員・アルバイトいずれの経験もない場合、履歴書では職歴の部分に「なし」と明記するのがマナーです。
空白期間(ブランク)は正直に
就職もアルバイトもしていない空白期間があると、「就活で不利になるのでは」と心配になるものです。
そのため、職歴を「なし」と書くのは気が進まないかもしれません。記載できるアルバイト歴があったとしても、あまり間が空いていると不安になるでしょう。
しかし、アルバイトの期間をごまかすなどのウソは厳禁です。そのようなウソは、あとから意外なことでバレてしまうかもしれません。
また、ウソが発覚すると、内定の取り消しや解雇の理由となってしまうおそれもあります。
職歴の空白期間に限った話ではありませんが、履歴書の内容はウソにならないよう、正直に書くことが大切です。
なお、おおむね半年以上のブランクでなければ、それほど気にする必要はないでしょう。
新しい仕事を探す際には3〜6ヵ月かかることも多いため、その程度の空白期間であれば就活には大きく影響しないと考えて差し支えありません。
記入例あり:職歴なしの履歴書の書き方
ここでは、履歴書の「学歴・職歴」欄を埋める際のポイントを説明します。
以下の3つのパターンに分けて記入例も掲載しているので、自分に当てはまる書き方をチェックしてみてください。
アルバイト経験がある場合
- アルバイト歴を職歴として記入
- 「年」は西暦か和暦で統一
- 今も勤務中なら、「現在に至る」と書く
- 最後の行に右詰めで「以上」と書く
会社員として働いたことがなくても、アルバイト経験がある場合は、職歴にアルバイト歴を書けます。
下記のように、学歴に続けて職歴を記載しましょう。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
学歴 | ||
2012 | 3 | ◯◯市立◯◯中学校卒業 |
2012 | 4 | ◯◯県立◯◯高等学校入学 |
2015 | 3 | ◯◯県立◯◯高等学校卒業 |
職歴 | ||
2015 | 4 | コンビニエンスストア「◯◯」アルバイト勤務開始 |
2018 | 9 | コンビニエンスストア「◯◯」アルバイト勤務終了 |
2019 | 10 | カフェチェーン店「◯◯」アルバイト勤務開始 |
現在に至る | ||
以上 |
学歴と同様、職歴は時系列で上から順に並べて書くのが基本です。このとき、「年」の表記は、西暦・和暦を統一します。
件数が多くて入りきらない場合は、アルバイトごとに「勤務開始」「勤務終了」を1行にまとめてもかまいません。
または、仕事内容が応募する会社に近いものだけに絞って書いてもよいでしょう。
直近のアルバイトについては、今も勤務中なら次の行に「現在に至る」と書きます。すべて書き終わったら、最後の行に右詰めで「以上」と記入しましょう。
なお、短期アルバイトについては、一般的に履歴書に書く必要はないとされています。
「仕事内容をアピールしておきたい」などの理由があるときは、従事した期間が短くても記載して問題ありません。
完全な職歴なしの場合
- 職歴は空欄にせず、「なし」と明記する
- 次の行に右詰めで「以上」と書く
下記は、会社員・アルバイトいずれの経験もない場合の記入例です。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
学歴 | ||
2012 | 3 | ◯◯市立◯◯中学校卒業 |
2012 | 4 | ◯◯県立◯◯高等学校入学 |
2015 | 3 | ◯◯県立◯◯高等学校卒業 |
職歴 | ||
なし | ||
以上 |
アルバイト経験がある場合と同様、「年」は西暦か和暦で統一し、学歴に続けて職歴を書きます。
ただし、完全な「職歴なし」のケースでは、勤務の開始・終了などの記載すべき項目がありません。
この場合は、書き忘れと勘違いされないように「なし」と明記しましょう。
前述したとおり、職歴を空欄のままとするのはマナー違反です。最後の行には、右詰めで「以上」と記入します。
空白期間(ブランク)がある場合
- 空白期間は職歴に書かない
- 志望する会社に関連する活動は書いてもOK
原則として、空白期間は職歴に書く必要はありません。
また、空白期間を隠すために、アルバイトの期間をごまかすような書き方は厳禁です。
ただし、志望する会社と関係が深いことをしていた期間については、職歴の一環として記載しても問題ありません。
下記は、ボランティア活動に取り組んでいた時期がある場合の記入例です。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
学歴 | ||
2012 | 3 | ◯◯市立◯◯中学校卒業 |
2012 | 4 | ◯◯県立◯◯高等学校入学 |
2015 | 3 | ◯◯県立◯◯高等学校卒業 |
職歴 | ||
2015 | 4 | コンビニエンスストア「◯◯」アルバイト勤務開始 |
2018 | 9 | コンビニエンスストア「◯◯」アルバイト勤務終了 |
その後、◯◯のボランティア活動に従事 | ||
現在に至る | ||
以上 |
ボランティア活動以外では、希望の職種に関連するインターンシップや語学留学、資格取得のための勉強に従事していたことなどを書いてもよいでしょう。
なお、職歴として記載しにくい内容については、志望動機欄や自己PR欄に書く方法もあります。
基本が重要!職歴なしでも好印象な履歴書を書くには
ここまで、職歴がなくても履歴書は書けることを説明してきました。
その一方で、職歴なしの履歴書を見る人にとっては、「就職していない間は何をしていたのだろう」という疑問が生じやすいのも事実です。
採用する側から見れば、次のような点が不安要素になるかもしれません。
- マナーやルールを守れる人だろうか
- せっかく採用しても、すぐに辞めてしまうのではないか
- 仕事に必要なスキルは足りているのか
採用担当が感じやすいこれらの不安は、書類選考を突破するためにも払拭しておきたいところです。
職歴以外の面でも工夫して、履歴書の印象を良くすることを考えましょう。
ここでは、職歴がなくても印象の良い履歴書にするための、基本的な書き方や考え方を説明します。
全部に対応しなければダメということではないので、まずは基本を確認して、できそうな範囲で取り入れてみてください。
丁寧に書く
多数の書類をチェックしている採用担当から見ると、履歴書の不備は意外に気になるものです。
フォーマットを守って、丁寧に書くことを心がけましょう。
手書きする場合は、誤字脱字に注意します。間違えそうな箇所は、いきなりボールペンで書かずに、鉛筆で下書きをしておけば安心です。
手書きに自信がなければパソコンを使っても問題ありませんが、その場合は漢字などの変換ミスに注意しましょう。
「マナーやルールを守れない人なのだな」と思われないように、書式やフォントの統一感に気を配ることも大切です。
なお、仕事内容にもよりますが、パソコンは入社後も使う場面が出てきます。パソコンで履歴書を作るときは、文書作成のスキルも見られていると考えましょう。
写真の印象に気を配る
履歴書の写真は採用の決め手となるものではありませんが、書類選考の第一印象を左右するのは確かです。
あまりにもやる気が感じられない写真では、不採用の原因にもなりかねません。
履歴書の写真を撮るときは、落ち着いた服装と、清潔感のある自然なメイク・髪型が基本です。
採用担当が最初に目にするものだと意識して、表情や姿勢にも気を配りましょう。
費用はかかりますが、できれば写真館を利用することも検討してみてください。プロのカメラマンに撮影してもらえば、就活への意欲が伝わりやすい写真になります。
なお、履歴書の写真では、実際のイメージとかけ離れた過度な加工は禁物です。
面接などで会ったときに採用担当を戸惑わせてしまうような、不自然な加工をしなければ問題ありません。
就職したい熱意を伝える
履歴書の志望動機には、就職先がその会社でなければならない理由を書きましょう。
単に「就職したい」というだけでは、「どの会社でもいいのだな」と思われてしまいます。
しっかりとした志望動機を書くには、会社の理念や仕事内容について、よく調べることが重要です。
少し大変ですが、熱意を込めて書けば採用担当の目にとまる可能性も高まります。
もし可能なら、自分がどのように会社に貢献できるのかをアピールするのもよいでしょう。
また、会社によっては、社内の雰囲気や求められる人材像についての情報を発信していることもあります。
そのような情報を加味して自己PRを書くのも、書類選考を突破するために効果的な方法です。
スキル・経験を伝える
仕事に活かせるスキルや経験は、しっかり書くのが基本です。
これまでのアルバイト経験から得たものを思い返してみれば、履歴書に書けるアピールポイントも見つかるかもしれません。
取得済みの資格や免許も、忘れずに書いておきましょう。志望する会社の仕事に関連するものがあれば、即戦力として期待してもらえるかもしれません。
仕事には直接結び付かないものだとしても、「資格取得に向けて努力できる人なのだな」と良い印象をもってもらえる可能性があります。
また、すぐに履歴書に書けるわけではありませんが、あらためて希望職種に合う資格の取得に挑戦してみるのもよいでしょう。
空白期間の理由を説明する
前述したとおり、ボランティア活動やインターンシップなどの理由で生じた空白期間には、職歴の一環として書けるケースもあります。
しかし、職歴として書くほどでもない空白期間もあるかもしれません。
その場合は、「この期間は何をしていたのだろう」という疑問が生じないように、志望動機や自己PRのなかで理由を説明しておくとベターです。
あくまで採用担当の不安を払拭するための情報なので、「子育てや介護のため」「療養のため」「就活が長引いたため」のように簡単に触れておく程度で問題ありません。
職歴なしの就活に就職支援サービスを活用するメリット
印象の良い履歴書を書こうと思うだけでも、気を配るべき点はいくつもあります。
現実には履歴書の作成以外にもやることが多いため、「就活はハードルが高い」と感じてしまうかもしれません。正社員を目指すのが初めてであれば、なおさらでしょう。
その場合は、就職支援サービスでプロの力を借りる方法もあります。
ここでは、就職支援サービスのメリットを説明するので、就活をスムーズに進めるためにも利用を検討してみてください。
就活のプロにアドバイスしてもらえる
就職を目指す人の多くが、「就活のやり方がわからない」という不安を感じています。
こうした不安を減らせる点は、就職支援サービスの大きなメリットです。
就職支援サービスには、就活のプロがアドバイザーやカウンセラーとして在籍しています。何をすれば良いのかを具体的に相談できるので、自信をもって就活を進められるでしょう。
例えば、履歴書などの書類を作る際には、書き方を教えてもらえます。
細かい部分はサービスにもよりますが、書くべき内容のアドバイスや添削といったサポートもあるので安心です。
希望に合う求人を見つけやすい
求人を紹介してもらえる点も、就職支援サービスのメリットです。
「それくらい自分でもできるのでは」と思う人もいるかもしれません。しかし、多数の求人情報のなかから希望に合うものを探すのは、なかなか骨の折れる作業です。
就職支援サービスを利用すれば、あらかじめヒアリングを受けたうえで、希望に合う求人をピックアップしてもらえます。
自分にぴったりの会社に出会える可能性が広がるうえ、手間と時間も抑えやすい方法です。
無料で利用できる
就職支援サービスには有料のものもありますが、多くの場合は無料です。
ブランク期間中やアルバイトを続けながらの就活では、無料のものを選ぶとメリットが大きいでしょう。
下記の記事では、初めて正社員を目指す人にもおすすめの、完全無料で利用できる就職支援サービスを紹介しています。
もちろん、履歴書の書き方についても相談できるので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:職歴なしでも工夫しだいで印象の良い履歴書は書ける
職歴がなくても履歴書は書けます。書類選考を突破する可能性を高めるためにも、さまざまな工夫で印象の良い履歴書にしましょう。
印象の良い履歴書は基本を押さえた工夫から
会社員としての経験がなくても、履歴書では職歴を空欄にしないのが原則です。
アルバイト歴があるなら、職歴として書いても問題ありません。
ただし、アルバイト期間をごまかすなどのウソは厳禁です。仕事をしていない空白期間があるときは、そのまま正直に記載しましょう。
なお、履歴書の印象を良くするには、職歴以外の部分でも工夫することが重要です。
フォーマットを守って丁寧に書いたり、第一印象を考えて写真を撮ったりするほか、アピールすべきことがあれば志望動機などにしっかりと盛り込みましょう。
就活は就職支援サービスで早めに始めよう
就活を始めるのに遅すぎるということはありませんが、一般的には、空白期間は短いほうが有利だといわれています。
これから会社員を目指すなら、少しでも早めに行動を起こすことが大切です。
とはいえ、就活に必要なのは、履歴書の作成ばかりではありません。何から始めれば良いのか、わからなくなってしまうこともあるでしょう。
就活をスムーズに進めるには、就職支援サービスを積極的に活用するのも一つの方法です。
就職支援サービスにはいくつものメリットがありますが、なかでも就活のプロの力を借りて、自信をもって正社員を目指せるのは心強い点でしょう。
完全無料のサービスもあるので、ぜひ利用を検討してみてください。