フリーターとして働きながら一人暮らしをしていると、たびたび「きつい」と感じる場面があるのではないでしょうか。
その背景には、「必要な生活費に対して収入が少ない」などの現状があります。
経済的な悩みを抱えながらも、「生計を立てるだけで毎日が手一杯」というのが、多くの人に共通する意見かもしれません。
そこで本記事では、一人暮らしのフリーターが厳しい生活から抜け出すために、どのような選択肢があるのかを解説します。
また、就職支援サービスを活用して安定した暮らしを目指す方法も説明するので、ぜひ参考にしてください。
フリーターの一人暮らしが「きつい」と感じる理由
次のような理由から、フリーターとしての生活が「きつい」と感じている人は少なくないでしょう。
- 生活費が足りないときがある
- 貯金が増えない
- 同世代の人との収入の差が大きくなってきた
いつも節約しているにもかかわらず、毎月の生活費はギリギリです。
なかなか貯金が増えないため、冠婚葬祭などの急な出費にも対応できません。
こうした厳しい生活が長く続くと、将来の不安も大きくなっていくものです。
会社員として安定した給料をもらっている同世代の友人と、どうしても比較してしまうという人もいるでしょう。
「こんなに働いているのに、どうして自分だけ……」という想いもあるかもしれません。
しかし、一人暮らしのフリーターのなかには、同じように苦労しながら頑張っている人がたくさんいます。
実際はどれくらい?フリーターの一人暮らしにかかる生活費
安定した生活のためには、収入と生活費のバランスが大切です。
厚生労働省の「令和6年度地域別最低賃金改定状況」によると、最低賃金の全国平均は1,055円となっています。
フリーターとしてフルタイムで働くと、毎月の収入は170,000円前後になる計算です。
ここから税金や保険料が引かれるので、手取りは130,000〜140,000円でしょう。
上記の金額で生活が成り立つのかどうか、具体的に説明していきます。
一人暮らしに必要な生活費の目安
一人暮らしの生活費について、「普通はどれくらいかかるものなのか」を把握しましょう。毎月必要になる金額は、おおむね以下のとおりです。
一人暮らしの生活費(最低限の金額) | |
---|---|
家賃 | 40,000円 |
食費 | 30,000円 |
水道光熱費 | 10,000円 |
通信費 | 10,000円 |
服飾費・日用品費 | 10,000円 |
合計 | 100,000円 |
家賃は手取りの30%が目安といわれているため、ここでは40,000円としました(130,000〜140,000円の30%)。
住んでいるエリアや広さによっては、「もっと払っている」という人もいるでしょう。
家賃以外は、「1ヵ月当たり最低でもこれくらいは必要」という金額です。
家賃も含めた合計は100,000円であり、これを手取りから引くと、残りは30,000〜40,000円となります。
残ったお金は、すべて貯金にまわせるわけではありません。
上記に含まれていない交通費や交際費・医療費のほか、趣味に使うお小遣いなどは、この金額でまかなう必要があるためです。
貯金にまわせるお金はほとんど残らないというのが、一人暮らしのフリーターに共通の現実でしょう。
地方と都市部における収入の比較
アルバイトの時給は、都道府県によって異なります。
最低賃金で見ると、最高額は東京都の1,163円です。最低額は秋田県で、951円となっています。
フルタイムで働いたとき、地域による収入の差がどれくらい出るのか計算してみましょう(1日8時間・月20日で計算)。
都道府県 | 月収 | 年収 |
---|---|---|
東京都 | 186,080円 | 2,232,960円 |
(全国平均) | 168,800円 | 2,025,600円 |
秋田県 | 152,160円 | 1,825,920円 |
月収や年収で比べると、収入の地域差は決して小さくないことがわかるでしょう。
一般的に、地方よりも都市部のほうが収入が多い傾向があります。
とはいえ、必ずしも都市部のほうが、生活にゆとりがあるとは限りません。
最低賃金が高い都市部ほど、家賃や物価も高くなる傾向があるためです。
また、最低賃金は、働く人の「生計費」を考慮して決められています。
生計費とは「生活のために必要な費用」のことであり、やはり地域ごとの物価などに左右される金額です。
働く地域によって収入に差があっても、フリーターの生活が厳しい現実は大きく変わらないといえるでしょう。
フリーターが厳しい生活から抜け出すための2つの選択肢
ここからは、フリーターが厳しい生活から抜け出すために、どのような方法があるのかを見ていきましょう。
「収入と生活費のバランスを整えること」が目標だとすれば、大きく分けて次の2つの選択肢があります。
それぞれ、詳しく説明していきます。
選択肢1:生活費を減らす
月々の生活費を減らす方法のメインといえるのは、「節約すること」です。
毎月どれくらいの費用がかかっているのかを把握して、どこを減らせるか考えます。
もちろん、「節約ならすでに頑張っている」という人も多いでしょう。
しかし、フリーターの一人暮らしだからこそできる節約もあります。日頃から節約を心がけている人でも、まだできることがあるかもしれません。
食費を減らす
食費を減らすには、外食を減らして自炊を増やすのが基本です。
安い食材を利用したり、よく使うものを計画的にまとめ買いしたりすれば、さらに出費を抑えられます。
とはいえ、アルバイト中のランチなど、どうしても外食に頼らざるを得ないこともあるかもしれません。
もし可能なら、まかない付きのアルバイトを選ぶことも検討してみましょう。
1日1食・毎月20日分の食事代が浮けば、かなりの節約になります。
会社員が利用できる食事補助にも負けない、フリーターならではの節約方法です。
固定費を見直す
固定費のなかで、特に負担が大きいのが家賃です。
といっても、今より家賃が安い物件が見つかったからといって、引越しをするのは簡単ではありません。
より現実的な方法としては、節水や節電があります。
電力については、2016年の全面自由化以降、さまざまなサービスを選べるようになりました。
ガスや携帯電話とのセット割を提供する電力会社もあるので、よく見比べて乗り換えれば電気代を安くできるかもしれません。
通信費についても、一度は見直してみましょう。
携帯電話は、格安SIMに乗り換えて料金を抑える方法が考えられます。
固定回線は、一人暮らしなら留守中に自宅でインターネットを使う人もいないので、廃止してもそれほど支障はないかもしれません。
無駄遣いをなくす
一人暮らしなら、買い物の際に「本当に生活に必要なものかどうか」を判断しやすいでしょう。
生活費を抑えるには、必要最低限のものだけを買うようにするのが基本です。
家具や服などを買い替える際には、「新しいものを買ったら古いものを売る」ようにすれば、生活費の足しになります。
なかには、つい衝動買いをしてしまう人もいるかもしれません。
あまりに予定外の支出が膨らむと、生活費が足りなくなってしまうおそれもあります。できる限り買う前に考える癖を付けて、無駄遣いを減らしましょう。
なお、無駄遣いの防止には、家計簿を付けるのも効果的な方法です。
収入と支出の状況を把握できるので、「買っても大丈夫かどうか」を判断しやすくなります。
節約には限界があることも知っておこう
一人暮らしのフリーターができる節約の方法を紹介しましたが、参考になったでしょうか。
気になるものがあれば、少しずつでも良いので試してみてください。
ただし、節約を頑張りすぎて、かえって生活にゆとりがなくなってしまっては本末転倒です。
節約の延長線上には、「厳しい生活から抜け出す」という目的があることを忘れないようにしましょう。
いくら安くても体に悪いものを食べたり、経済的な理由で好きなことを我慢したりする生活を、長く続けられる人は多くありません。
節約だけでできることには、どうしても限界があります。
日々の生活に息苦しさを感じるようなら、収入を増やす方法についても考えましょう。
選択肢2:収入を増やす
収入を増やしたいとき、フリーターなら「アルバイトをかけもちすれば……」と考えるかもしれません。
たしかに、仕事を増やせば一時的には収入を増やせますが、体力面などを考えると長続きはしないでしょう。生活費の節約と同様に、こちらも限界のある方法です。
そこで、単に収入を増やすだけでなく、「どうすれば余裕のある生活を目指せるか」が大切になってきます。
そのためには、次の2つの点が重要です。
- 現状を見つめ直すこと
- 将来も含めて考えること
こういったことに思いを巡らすのは、少し気が重いかもしれません。大変ではありますが、一度は立ち止まって考えてみましょう。
働いても余裕がないのはなぜ?
たくさん働いても生活に余裕がないフリーターとしての現状を、あらためて見つめ直してみましょう。
正社員として働いている友人がいる人には、「同世代なのに、どうしてこんなに収入の差が大きくなってしまったのだろう」という想いがあるかもしれません。
実際のところ、「フリーターは正社員ではないから」というのは、フルタイムで働いてもお金が残らない大きな理由です。
一般的に、フリーターと正社員には次のような違いがあります。
待遇 | フリーター | 正社員 |
---|---|---|
昇給 | 機会が少ない | 年齢に応じて昇給がある |
ボーナス | 出ない場合が多い | 出る |
休暇 | 休めば収入が減る | 有給休暇が付与される |
年金 | 加入には条件がある | 厚生年金に加入できる |
正社員は、フリーターよりも昇給の機会に恵まれています。
給料は年齢に応じた金額になる場合が多く、仕事を通して身に付けたスキルをキャリアとしてアピールすることで、さらなる昇給も可能です。
正社員にはボーナスが支給されるので、貯金も増やしやすいでしょう。
同年代のフリーターとの収入の差は、時間とともに広がっていきます。結果として、生涯賃金においても大きな差が生じます。
また、正社員であれば有給休暇を取得可能です。これに対して、フリーターは時給制の場合が多いため、仕事を休むと収入が減ってしまうことも生活が厳しい理由となっています。
「少しくらい体調が悪くても、仕事は休みたくない」という人も多いのではないでしょうか。
さらに、フリーターは厚生年金に加入できるとは限りません。将来の経済状況について不安を感じながら、日々の仕事をこなしている人が多いといえます。
収入アップのためにも考えたい将来のこと
経済的な厳しさだけでなく、今後のキャリアを見通しにくいことなどからも、「今のままでいいのだろうか」と漠然とした不安を抱えているフリーターは少なくありません。
どうすれば収入を増やしていけるのか、将来のことも含めて考えてみましょう。
安定した暮らしのためには、「もっと頑張る」よりも、無理のない方法を選ぶことが大切です。
できれば今の働き方に限界を感じる前に、正社員を目指すことを検討してみてください。
仕事を通してキャリアにつながるスキルを身に付けながら、収入を増やしていける可能性が広がります。
もちろん、正社員になったからといって、すぐに月々の収入が増えると約束されるわけではありません。
しかし、ボーナスを貯金にまわしたり、予定や体調に合わせて有給休暇を取ったりはできます。
また、厚生年金に加入できる点も、将来のための安心材料です。
正社員になることで、心と体の負担を軽くして働きやすくなるでしょう。
安定した暮らしを目指すなら活用したい就職支援サービスとは
正社員を目指したいと思ったら、次は「そのために、どうすれば良いのか」が問題となります。
これまでフリーターとして働いていた人は、「正社員になる方法がわからない」という場合も少なくありません。
また、今のアルバイトを続けながら、一人で就活を頑張るのも大変でしょう。そこで検討してほしいのが、「就職支援サービス」です。
就職支援サービスを利用すると、正社員としての就職・転職を支援してもらえます。
積極的に活用すれば、アルバイトをしながらでも就活を進めやすくなるでしょう。
就職支援サービスのメリット
就職支援サービスには、次のようなメリットがあります。いずれも、一人で就活を進める際に感じるハードルを下げてくれることばかりです。
- フリーターでも支援してもらえる
- 正社員を目指すために必要なことがわかる
- 就活の自信が付く
- 忙しくても希望に合う仕事を見つけやすい
就職支援サービスは新卒や会社員も利用しますが、なかにはフリーターに特化したものもあります。
そのようなサービスを選べば、初めてでも利用しやすいでしょう。
サービスに登録すると、就活のプロに相談できるようになります。
正社員になるための方法を具体的に教えてもらえるので、次に何をすれば良いのかがわかるのは大きなメリットです。
「書類の書き方はこれでいいのかな」「面接では何を言えばいいのかな」といった不安を減らし、自信をもって就活に臨めます。
また、これから正社員として長く働くからには、仕事内容はなんでも良いというわけにはいきません。
就職支援サービスでは、事前にヒアリングやカウンセリングを受けることで、希望に合う求人を紹介してもらえます。
アルバイトで忙しい日々を送りながらでも、自分にぴったりの職場や仕事を見つけやすいでしょう。
なお、新しい環境で働き始めてからも、仕事の悩みは出てくるかもしれません。
サービスによっては、入社後の悩みまでケアしてもらえるので安心です。
無料の就職支援サービスがおすすめ
正社員になるためとはいえ、節約しながらの一人暮らしでは、できる限り就活の出費も抑えたいところです。
就職支援サービスには有料のものと無料のものがあるので、登録する前に確認しましょう。
なお、無料のほうがサービス内容が悪いなどということはありません。
下記の記事では、これから正社員を目指す人におすすめできる、完全無料の就職支援サービスを紹介しています。
フリーターの就職に強いサービスばかりなので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:就活のプロに力を借りてフリーターの「きつい」一人暮らしから抜け出そう
一人暮らしをしているフリーターの多くが、生計を立てるだけで手一杯の日々を送っています。
厳しい生活から抜け出すには、「生活費を減らす」か、または「収入を増やす」ための手段が必要です。
生活費の節約には限界がある
生活費を減らすことにより、家計にゆとりが生まれるのは確かです。
食費や固定費を見直し、無駄遣いをなくせば、今よりも出費を抑えられるかもしれません。
しかし、こうした努力には限界があります。節約が度を超えて無理が生じてしまっては、これまでの生活も長続きしないでしょう。
できる限り無理のない方法で、どうすれば収入を増やせるかを考えることも大切です。
就職支援サービスで正社員を目指すことも検討しよう
今の厳しい生活から抜け出すには、将来の働き方も含めて考えることが大切です。
無理なく収入を増やすためにも、フリーターから正社員への転向を検討してみてください。
仕事を通じてキャリアを積むことで、少しずつ収入を増やしていける可能性があります。
正社員を目指す際には、一人で就活を頑張るよりも、就職支援サービスでプロの力を借りるのがおすすめです。
フリーターの就職に強い完全無料のサービスもあるので、積極的に活用すれば大きなメリットを得られるでしょう。