「就職するなら休みが多い企業がいい」と考える人は少なくないでしょう。
しかし、こうした希望をそのまま就活の志望動機とすると、採用担当者にネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
前向きな志望動機とするには、「休みは多いほうがうれしい」という正直な気持ちは残しつつ、伝え方を工夫するのがおすすめです。
そこで本記事では、「休みが多い」を前向きな志望動機に変えるための切り口を、例文とともに紹介します。
また、面接の場で志望動機を伝える際の注意点や、伝え方に不安を感じるときに活用できる就職支援サービスのメリットなども解説します。
自信をもって就活を進めるために、ぜひ参考にしてください。
「休みが多い」は志望動機に書ける?書けない?
働くことに対する考え方は、人それぞれです。
休みの多さに価値を感じる人もいれば、仕事と生活の両方を充実させたいと考えている人もいるでしょう。
とはいえ、就活の志望動機となると、「休日が多いので応募しました」と正直に伝えても良いのかどうか迷ってしまう人もいるかもしれません。
履歴書や面接で志望動機の印象を良くするには、何がOKで何がNGなのかを知って、どのように伝えるかが重要です。
プライベートを重視するのはOK
プライベートが充実していると、仕事にも良い影響を与えるものです。就活においても、休みの多さを重視して就職先を選ぶのは悪いことではありません。
また、「年間休日◯◯日」のように、「休みの多さ」や「休みやすさ」をアピールして人材を募集している企業もあります。
応募先がそのような企業の場合は、志望動機を通して企業側の価値観に共感を示すのもよいでしょう。
「休みが多い」という希望も、就活のなかで正直に伝えるチャンスがあるかもしれません。
プライベート「だけ」を重視するのはNG
一方で、プライベートを重視する姿勢が強く出過ぎると、志望動機の印象を悪くしてしまうこともあります。
そのつもりがなくても、採用担当者に「この人は仕事をしたくないのでは」と思われてしまうかもしれません。
一般的に、企業は仕事で貢献できる人を採用したいと考えています。そのため、プライベート「だけ」を重視していると思われないようにすることが重要です。
不本意な伝わり方を避けるには、「休みが多いとうれしい」ではなく「休みが多いから◯◯できる」というように、仕事に前向きな姿勢を示すことが大切だといえます。
「休みが多い」を前向きに伝えるコツ
志望動機では「プライベートを重視するのはOK」な一方で、「それだけではNG」なことを説明しました。
つまり、印象の良い志望動機とするには、単に「休みが多いから応募しました」で終わらせない工夫が重要だといえます。
それには、自分の価値観を、企業が求める人材像とすり合わせるのがコツです。
「志望動機」という言葉は本来「そこで働きたい理由は何か」を指すものですが、企業側は「その人を採用する意味があるか」を見ているのだと考えましょう。
企業から見ても前向きな内容とするには、あらためて自分の希望する働き方を見つめ直し、ほかにメインとなる志望動機を見つけることが大切です。
そのうえで、「休みが多いとうれしい」という正直な気持ちと組み合わせれば、採用担当者にも印象良く伝わります。
「休みが多い」を前向きな志望動機に変える切り口と例文
「休みが多い」と組み合わせられるメインの志望動機を見つけるために、切り口を変えてみましょう。
ここでは、よくある切り口として以下を紹介します。
それぞれ応用しやすい例文も用意しましたので、印象の良い志望動機を作るために、ぜひ参考にしてください。
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切り口1:生産性の向上
「仕事の生産性が向上すること」を切り口として、「休みが多い」と組み合わせた志望動機にする方法を考えてみましょう。
休日にしっかりと休養をとれば、仕事のある日は生産性が向上すると期待できます。仕事の生産性が上がることは、企業にとってもメリットです。
これにより、休みの多さを重視する姿勢を示しながらも、企業に貢献したい意欲が伝わる志望動機になります。
この切り口は、コンスタントに休みがある職種のほうが説得力を出しやすいかもしれません。
例えば、事務職を希望している場合は、メリハリのある働き方が生産性に良い影響を与えることを説明しやすいでしょう。
【例文】オン・オフのメリハリで生産性を高めたい
御社の「◯◯」事業に興味があり、私もその一員になりたいとの想いから応募いたしました。
特に、事業を裏から支える総務の仕事に魅力を感じております。
私は裏方のポジションが合う性格らしく、アルバイト経験を振り返ってみても、「整理整頓」のようなバックヤードの仕事が得意でした。
また、実際の仕事で貢献するには、メリハリのある働き方も重要だと考えております。
オン・オフをしっかり切り替えて業務に集中して取り組み、生産性の向上に安定して寄与できればうれしいです。
切り口2:自己啓発によるスキルアップ
「自己啓発の時間を確保してスキルアップすること」を切り口として、休みが多いメリットを説明する方法です。
新たな人材を募集する際に、即戦力を優遇する企業は少なくありません。そこで、「自分も早く戦力になりたい」という意欲を示せば印象が良くなります。
このとき、自己啓発に充てられる時間を重視していると説明すれば、「休みは多いほうがうれしい」という希望も自然な流れで伝えられるでしょう。
できれば、これまでに取り組んできた自己啓発についても具体的に伝えると、より説得力が増します。
業務に活かせる知識・スキルや関連する資格など、すでに勉強していることがあれば触れておくとよいでしょう。
【例文】スキルを高めて仕事で成果を出したい
以前から、「◯◯」分野でサービスを開発・提供する仕事に興味をもっております。
自らのスキルを活かせる仕事がしたいという想いが強かったことから、御社に応募いたしました。
入社が叶いましたら、少しでも早く戦力になれるよう、スキルアップに努めてまいります。
プライベートでの学びも業務に役立つと思い、現在は「◇◇」の資格取得を目指して学習中です。
御社は休日日数が多いと伺っており、自己啓発を続けやすい点にも魅力を感じております。
切り口3:長期就業
「長期的に働くこと」を切り口として、しっかり休むメリットをアピールする方法です。
新たに社員を採用するからには、「少しでも長く勤めてくれる人を選びたい」と考える企業は少なくありません。
業界や職種によっては、定期的に繁忙期が巡ってくることもあるでしょう。業務が集中する時期もあるなかで、志望動機で長期就業の意思を示せれば印象が良くなります。
そのためには心身の健康維持が欠かせないので、休日を重視するのは自然なことです。
疲れを残さず長く働くために、適度にリフレッシュしていく姿勢を示しましょう。
【例文】リフレッシュしながら長期に貢献したい
地元のイベントで御社の「◯◯」を購入したことが何度もあり、商品はもとより、活気あるスタッフの皆様にも魅力を感じておりました。
いずれは私も販売する側に立ちたいという想いがつのり、この度応募を決心した次第です。
もし御社の一員になれましたら、私自身がそうであったように、一人でも多くのお客様に「◯◯」を好きになってもらえるよう活力の維持に努めてまいります。
夏や年末は繁忙期かと存じますが、休めるときにはリフレッシュし、疲れを残さない働き方で長期的に貢献できればうれしいです。
切り口4:企業文化との相性
「その企業との相性が良いこと」を切り口として、自分の希望を伝える方法です。
応募する側が「自分に合う職場で働きたい」のと同じように、企業の多くは「自社に合う人に働いてほしい」と考えています。
お互いにマッチしていることをアピールすれば、印象の良い志望動機になるでしょう。
近年では、ワークライフバランスを重視する企業も増えてきました。応募先にそのような企業文化があるなら、「仕事もプライベートも大事にしたい」のように共感を示すことで印象が良くなります。
また、はっきりと言葉に出さなくても、「休みが多いとうれしい」という希望は自然と伝わるはずです。
【例文】ワークライフバランスを保って働きたい
「◯◯」の分野で新製品を生み出し続ける御社の熱意と技術力に、以前から魅力を感じております。
この度応募を決意しましたのは、御社のワークライフバランスを重視する文化についてSNSで知ったことがきっかけです。
企業文化が創造性につながっているのだと伺い、あらためて私もそのような環境に身を置きたいと思いました。
もし入社が叶いましたら、仕事・プライベートともに充実させ、必要な技術を身に付けながら経験の幅も広げていきたいです。
また、今後の事業開発で貢献できることを増やしていきたいと考えております。
面接で失敗しない!志望動機で「休みが多い」を伝える際の注意点と対策
ここまで説明してきたように、「休みが多い」という志望動機は、伝え方によって良くも悪くも聞こえます。
履歴書などの文書にする際は、前向きな内容となるように時間をかけて工夫できるでしょう。
しかし、面接では、その場で受け答えをしなければなりません。
心の準備ができていないと、あわてて印象の良くない伝え方になってしまうこともあるでしょう。
そこで、面接で失敗しないために気を付けたいことを、対策のしかたと併せて説明します。
- 注意点1:他社でも使える志望動機になっていないか
- 注意点2:「ワークライフバランス」という用語は面接の場にふさわしいか
- 注意点3:効果的なタイミングで希望を伝えているか
- 注意点4:メインの志望動機が伝わっているか
注意点1:他社でも使える志望動機になっていないか
面接では、ときには次のような厳しい質問をされることもあります。
・休みが多いという理由で、この会社を選んだのですか?
・休みが多ければ、結局どの会社でも良いのではないですか?
このように聞かれると、「休みが多いとうれしい」という本心を見抜かれた気がしてしまうかもしれません。
しかし、面接官がこうした質問をするのは、応募者の志望動機に説得力があるかどうかを確認するためです。落ち着いて、しっかりと答えましょう。
そのためには、自分が志望するのは「この会社でなければならない」という理由を用意しておくと効果的です。
これにより、面接官には「自社とマッチしている人だ」「熱意がある人だ」と思ってもらえるようになり、印象が良くなります。
注意点2:「ワークライフバランス」という用語は面接の場にふさわしいか
「休みが多い」ことを印象良く伝えようと思うと、「ワークライフバランス」という用語を使いたくなる場面もあるでしょう。
ワークライフバランスの本来の目的は、「仕事とプライベートのどちらも充実させる」ことです。
しかし、「プライベートを優先して仕事の量を調節する」ことだと誤解されるケースも少なくありません。
例えば、以下のような場面では誤解されやすいため注意が必要です。
- 採用担当者が自分より上の世代の場合
-
「仕事が最優先」という風潮が強いことがある
- ベンチャー企業の場合
-
企業目標の達成のために仕事に打ち込める人材を優先することがある
面接で「ワークライフバランス」という用語を使ってはいけないわけではありませんが、意図しない伝わり方をしそうだと感じたときは、避けるのが無難です。
注意点3:効果的なタイミングで希望を伝えているか
面接での質問は、同じ内容でもタイミングによって印象が変わることがあります。
例えば、どうしても休暇制度について聞いておきたいことがあるかもしれません。
その場合は、自然に「逆質問」ができるタイミングで尋ねるのがおすすめです。面接の最後などに、「何か質問はありますか?」のように聞かれてから話を切り出しましょう。
このとき、聞きたいことをストレートに伝えるよりも、以下のように企業側にもメリットがある考えを交えて質問できると好印象です。
長期的に働くために、心身ともに健康でありたいと思っております。
休日出勤の有無や休暇制度についてお聞かせいただけますか?
注意点4:メインの志望動機が伝わっているか
面接では、「休みの多さを一番に重視しているのですか」と尋ねられることもあるかもしれません。面接官がこの質問をするのには、志望動機を深掘りしたいという意図があります。
このように質問された場合は、ほかにメインとなる志望動機があることを伝えるチャンスだと考えましょう。
あわてて否定したり、「休みが多い」という希望を詳しく説明したりする必要はありません。
以下のように、簡潔に答えるのがおすすめです。
はい。休みの多さも大事だと思いますが、より重視しているのは◯◯です。
志望動機がうまく伝わるか不安なときは?就職支援サービスを活用するメリット
ここまで、「休みが多い」を前向きな志望動機にする方法を説明してきました。
しかし、自分で作った志望動機に自信がもてない人もいるかもしれません。自信がないままでは、面接での受け答えも不安になるでしょう。
そのようなときは、ぜひ就職支援サービスの活用を検討してみてください。就活のプロの力を借りることで、以下のようなメリットを得られます。
それぞれ詳しく解説します。
客観的な視点で伝わる志望動機ができる
就活の志望動機では、「この会社に就職したい」という熱意や「この仕事がしたい」などの意欲を、前向きに伝えることが重要です。
しかし、自分で作った志望動機が印象良く仕上がっているかどうかを、客観的に判断するのは簡単ではないでしょう。
就職支援サービスを利用すれば、就活のプロが希望条件などについてヒアリングしたうえで、志望動機も添削してくれます。
これは、「休みが多い」のような自分自身の価値観は大切にしつつ、客観的な視点でチェックしてもらえるということです。適切な内容と印象の良い表現で、想いが伝わる志望動機に仕上げられるでしょう。
プロのアドバイスで就活に自信がもてる
就活は、そう何度も経験するものではありません。「この進め方で良いのか」「自分のマナーは大丈夫か」など、不安を感じる部分も多いでしょう。
就職支援サービスでは、こうした不安の解消につながる具体的なアドバイスを受けられます。
志望動機については作り方だけでなく、面接で印象の良い受け答えのしかたも助言してもらえるので心強いでしょう。
また、就活のマナーや基本的なルールについても教えてもらえます。不安な部分を一つずつ減らしていくことで、自信をもって就活を進めやすくなる点は大きなメリットです。
希望に合う企業に出会える可能性が広がる
希望に合う求人を見つけやすい点も、就職支援サービスのメリットです。
例えば、ワークライフバランスを重視するのなら、「休日日数が多い」「より良い働き方への取り組みがある」などの特徴がある企業の求人を紹介してもらえるでしょう。
もちろん、「休みが多い」以外の希望についても相談できます。就職後のミスマッチを防ぐためにも、積極的に話をしてみるのがおすすめです。
就職支援サービスには無料で利用できるものもあるので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ:伝え方の工夫で「休みが多い」も前向きな志望動機に
休みの多さを重視して就職先を選ぶのは、決して悪いことではありません。
ただし、そのことを志望動機でストレートに伝えると、ネガティブな印象を与えてしまう場合があります。
本記事では、より前向きな志望動機にするための切り口を、例文とともに紹介しました。
企業に求められることを意識した志望動機にしよう
オン・オフのメリハリのある働き方は、仕事上の成果にもつながります。しかし、休みは多いほうがうれしいという「だけ」の志望動機では、就活で良い印象を与えることはできません。
採用担当者からの評価を得るには、自分の希望する働き方と、企業側のニーズとをすり合わせる必要があります。
これにより、メインとなるほかの志望動機を見つけて、働く意欲が前向きに伝わるように工夫しましょう。
その際は、本記事で紹介した切り口や例文を、ぜひ参考にしてください。
就活の進め方に自信をもって希望を叶えよう
一人で志望動機を考えて面接に臨むというのは不安なものです。とはいえ、希望に合う仕事を得るには、自信をもって就活を進めることも大切です。
なかなか自信がもてないときは、就職支援サービスの活用を検討してみてください。
就活のプロに希望を聞いてもらい、わからないことがあれば具体的なアドバイスも受けられる、おすすめの方法です。不安を一つずつ解消しながら自信を付けて、就活の希望を叶えましょう。