就職活動の最初の壁「自己PR」。せっかく気合いを入れて就職活動を始めようと思ったのに「フリーターの自分にはアピールできることなんか何一つない……」なんて、落ち込んではいませんか。
安心してください。
この記事では、あなたのように「アピールできることがない」と悩んでいる人のために、誰のなかにも必ずある、自己PRのタネの見つけ方を紹介します。
今は「何もない」と感じていても大丈夫。
この記事を読み終わるころには「自分にもアピールできることがあった」と、前向きに自己PRに向き合うことができるようになるはずです。
「自己PR、何もない……」なぜそう感じてしまうの?3つの落とし穴
自己PRを考えてみたけれど「自分にアピールできることなんて何もない」という結論にたどりついたあなたは、思考の落とし穴にはまっているかもしれません。
フリーターでも人に誇れるような実績がなくても、アピールできることは必ずあります。
今、あなたがそれを信じられないのは、気付かないうちに深い思考の落とし穴にはまり、周りが見えていないからです。
自分が落とし穴にはまっていることに気付き、穴から少し顔をのぞかせれば、アピールできるポイントがきっと見つかるはず。
ここでは、あなたがはまっているかもしれない3つの落とし穴について解説します。
落とし穴1:「特別な経験」や「華々しい実績」がないとダメだと思い込んでいる
1つ目の落とし穴は、自己PRを「特別な経験」や「華々しい実績」を披露するものだと誤解していることです。
自己PRは、あなたがどれだけ優れた人間かをアピールするものではありません。
採用担当者は、「どれだけ優秀な人材であっても、自社とマッチするとは限らない」ということを、嫌というほど理解しています。
自己PRは、あなたという人間がどのような「強み」を持った人間かを伝えるものです。
それを伝えるのに、キラキラした過去は必ずしも重要ではありません。
大切なのは、あなたがこれまで歩んできた人生、そこから学んだこと、成長した自分について採用担当者にしっかり伝えることです。
落とし穴2:自分に厳しすぎる?「当たり前」の基準が高くなっている
2つ目の落とし穴は、自分に対して過剰に厳しい基準を設定していることです。
「自分に厳しいことは正しいこと」「自分に甘いことは悪いこと」などという、幼い頃から染みついてきた価値観が、知らず知らずのうちにあなたを苦しめてはいませんか。
例えば、他人の良いところと自分の悪いところを比べて「自分はダメな人間だ」と評価したり、良い成績を取ったにもかかわらず「あの人はもっと良い成績だ。自分なんかダメだ」「運が良かっただけだ。実力じゃない」などと評価したりしていませんか。
これらはあまりにも、アンフェアな評価です。
もちろん、自分に厳しくすることは、悪いことではありません。
そうすることで自分を奮い立たせ、成長することができるからです。
しかし、厳しくすることが、あなたから自信ややる気を奪ってしまうのであれば、それはあなた自身を傷つけるだけの行為なので、今すぐやめましょう。
あなたには、あなたの良さが必ずあります。
落とし穴3:「何もない」と思考停止に陥っている
3つ目の落とし穴は、「どうせ自分には何もない」と、考えることすら放棄してしまっていることです。
冷静になって考えてみてください。
良いところが一つもない人間が、この世界に存在するでしょうか。
人間にはさまざまな面があります。
多くの犠牲を生んだ非道な独裁者だって、家族や側近たちにとっては「頼もしい父」や「憧れの上司」だったかもしれません。
自分でオムツを替えることすらできない赤ちゃんだって、「愛らしい」という良いところがあります。
誰にでも必ず「良いところ」はあります。
「どうせ自分には何もない」は、あなたが自分自身を特別視してしまっている証拠かもしれません。
【心の準備】「何もない」から抜け出すための3つの思考チェンジ
紹介した3つの落とし穴のなかに、あなたがはまっているものはあったでしょうか。
もしかすると「複数の落とし穴にはまっていることに気付いた」という人もいるかもしれません。
ここからは、思い込みの落とし穴から出るための思考チェンジ術を紹介します。
人には思考のクセがあります。
長い時間をかけてついたクセを、すぐに変えるのは難しいものです。
しかし、「この考え方は、また落とし穴にはまっているな」と気付くことができれば、そこからまた思考チェンジをし直すことができます。
ゆっくり焦らず、続けていきましょう。
思考チェンジ1:「大きな強み」ではなく「小さな自分らしさ」を探す意識を持つ
先ほどお伝えしたとおり、自己PRは、あなたがどれだけ優れた人間かをアピールするものではありません。
自己PRは、あなたという人間が、どのような「強み」を持った人間かを伝えるものです。
「大きな強み」が見つからないのなら、いったん「強み」を探すことは置いておいて、「小さな自分らしさ」を探すことから始めてみましょう。
「小さな自分らしさ」とは、意識しなくても日常でつい出てしまう自分らしさのことを指します。
例えば、オンラインゲームで仲間と協力して戦うとき、あなたは前線で戦いますか?後方支援に回りますか?
ほしかった新しい製品が出たら、あなたはすぐに買いますか?それともある程度口コミが出るのを待ってから買いますか?
このようなことにも、あなたらしさはあふれています。
「小さな自分らしさ」は、伝え方を工夫すれば、あなたの「強み」として就職活動に役立てることができる「武器」になります。
思考チェンジ2:「完璧な自己PR」を目指すのをいったんやめてみる
「自己PRはできるだけ完璧に仕上げたい」という気持ちはよくわかります。
しかし、「完璧な自己PR」を目指せば目指すほど、足りない部分ばかりが目について自信を失い、最終的には「自分には自己PRできるものなんかない」と、自己PRが書けないループに陥ってしまいます。
「完璧」に近づくためには、一段ずつ階段を上っていかなければなりません。
「完璧」を目指したいのに立ち止まっていては、何も始まらないのです。
まずは、「完璧でなければならない」を捨て、「今の自分の精いっぱい」を日々更新していくことから始めましょう。
それを続けていけば、いつか「あなたなりの完璧」にたどり着くことができるはずです。
思考チェンジ3:「何もない」のではなく「まだ見つかっていないだけ」ととらえ直す
あなたには必ず、あなたの良さがあります。
「自分には良さなんかない。自分のことは自分が一番よくわかっている」と思うかもしれませんが、あなたがまだ知らないあなた自身や、すっかり忘れてしまったあなた自身は必ずいます。
「何もない」ではなく「まだ見つかっていないだけ」「忘れてしまっているだけ」ととらえ直し、一度、自分自身を振り返ってみましょう。
「何も出てくるわけがない」と思いながら探していては、たとえ足元にそれがあっても見つけるのは難しいものです。
大切な人の相談に乗るときのように、あなた自身の良いところを真剣に探してみてください。
【実践編】「何もない」状態から「何か」を見つけ出す具体的なヒント集
思考チェンジを意識することが身に付いたら、次は実践です。
「自分には何もない」というあなたが、「何か」を見つけ出すための具体的なヒントを5つ紹介します。
1から順番に取り組んでみても、ピンとくるものから取り組んでみてもOKです。
手元に紙とペンを用意して、リラックスして取り組んでみましょう。
ヒント1:あなたの「当たり前」を疑ってみる~日常の行動を5分間書き出してみよう~
寝る前に5分間だけ、今日あなたがしたことを紙に書き出してみましょう。
「求人サイトを検索した」「アルバイトに行った」「長ネギを買って帰った」など、あなたがとった行動であれば、どのようなことでも構いません。
これを数日続けてみると、「長く続いていること」や「人から頼まれやすいこと」「時間を忘れて没頭できること」などが少しずつ見えてきます。
あなたが当たり前にしてきたことには、あなたらしさが詰まっています。
まずは一週間続けてみましょう。
続けるポイントは、「行動について良い悪いなどの評価をしないこと」と「毎日5分以上はやらないと決めること」。気楽に続けてみてください。
ヒント2:過去の「些細な成功体験」や「乗り越えたこと」を掘り起こす
これまでの人生でうまくいったことや乗り越えたことを紙に書き出してみましょう。
「アルバイト先で何気なくしたことが感謝された」「何となく始めた禁煙が今でも続いている」など、あなたにとっては些細なことと思うことも、思いつく限り書き出してください。
あなたが持っているスキルや、あなたがどのようなときに力を発揮できるのかが見えてくるはずです。
ポイントは、どれだけ小さなことも書き出すこと。誰かに見せるわけではないので、高いハードルを課す必要はありません。
ヒント3:「短所」だと思っていることを「長所」に言い換えてみる
まずは、思いつく限り自分の短所を紙に書き出してみましょう。
一行に一つずつ書き、「これ以上は何もない」と思えるところまで手を止めないでください。
あなたの短所がすべて書かれたリストが完成したら、次はその短所の横に、その短所を長所に言い換えた言葉を書いていきましょう。
「物は言いよう」という言葉があるように、あなたの短所は必ず長所に言い換えることができます。
例えば「頑固」は「意志が強い」、「臆病」は「慎重」などと言い換えてみましょう。
言葉が思い浮かばなければ、スマートフォンなどで調べても構いません。
あなたが書いた短所を、すべて長所に言い換えられるまで続けてください。
それが終わったら、最後にあらためて「長所」の部分だけを見てみましょう。
書いてあるすべてが、あなたの長所です。
ヒント4:信頼できる人に「自分の良いところって何だと思う?」と聞いてみる
あなた自身がまだ気付いていない良いところを探すには、信頼できる人に頼るのが一番です。
気恥ずかしいかもしれませんが「自己PRの作成に協力してほしい」と伝えれば、あなたが信頼する相手ならきっと親身になってくれるはずです。
ポイントは、相手が思う「あなたの良いところ」は否定せず、受け入れることです。
「そんな長所はない」「そんなに良い人間じゃない」と否定したくなるかもしれませんが、相手にとってあなたがそう見えるということは事実です。
信頼できる人の視点をしっかり受け止めて、「どうしてそう思う?」とさらに深掘りしてみましょう。
ヒント5:「好き・得意なこと」と「嫌い・苦手なこと」から自分らしさの輪郭を探る
好きなことや得意なこと、嫌いなことや苦手なことを紙に書き出してみましょう。
「計算が得意」「大人数が苦手」など、どのようなことでも構いません。
そして、その横に理由を書いてみると、だんだんとあなたがどのような人間かが浮かび上がってきます。
自分がどのようなものに惹かれ、どのようなものを嫌い、どのようなことを得意とし、どのようなことを苦手としているのかを知っておくことは、就職活動に限らず、この先の人生で必ず役に立ちます。
【最初の一歩】「何もない」からでも書ける!超簡単な自己PRの「タネ」作り
3つの思考チェンジと5つのヒントの実践をすると、あなた自身についてたくさんの新たな気付きが生まれたのではないでしょうか。
ここからは、その気付きを使って自己PRのタネを作る方法をお伝えします。
ここまで実践したなら、もう自己PRの材料はそろっています。安心して先に進みましょう。
まずは「一言」でOK!自分を表すキーワードを見つけてみる
自己PRは、採用担当者にあなたがどういう人間かを伝えることです。
あなたという人間の良さを伝えるには「私は〇〇です」の〇〇にどのような言葉が入るとよいでしょうか。
これまでの自己分析で出てきた「あなたの長所」つまり「あなたの強み」のなかからキーワードを探してみましょう。
どの「強み」で自己PRを作るべきなのかは、企業により変わってきますが、まずはあなたにとって一番しっくりするキーワードで作ってみましょう。
「一言」を3行程度の短い「つぶやき自己PR」にしてみる
次に、「私は〇〇です」の後ろに、そのキーワードを裏付けるエピソードを入れてみましょう。
例えば「冷静」というキーワードで作る場合、「私は常に冷静です。アルバイト先に怒鳴るお客さんが来たときも特に動揺せず、ほかのお客さんと同じように接したら、だんだんとおとなしくなって帰っていきました」など、「冷静」ということが、しっかり表れたエピソードを選びます。
最初からきれいな文章で表現する必要はありません。
SNSに投稿するときのようなフランクな表現でも構わないので、まずは自分の言葉で表現してみましょう。
大切なのは「書き始める」こと!完成度は気にしない
実は、1つ前に紹介した「私は常に冷静です」の例文は、自己PRというにはまだまだ改善しなければならないところがたくさんあります。
しかし、もとになる文章がなければ改善のしようがありません。
完成度はあとからいくらでも上げることができます。
大切なのは、とにかく書き始めることです。
もとになる文章も、その文章のもとになる「強み」も、あなたのなかにしかないのです。
考えすぎて何も手につかなくなるくらいなら、考えるのをやめてとにかく手を動かしてみましょう。
たくさん書いてノートが真っ黒になるころには、あなたの自己PRは今よりずっと良いものになっているはずです。
「何もない」と思っていた自分から、一歩踏み出すあなたへ
ここまで読んでもあなたはまだ「自分には何もない」と思っていますか?
人生に悩んだり迷ったりすると、そう思い込んで立ち止まってしまうことはあります。
しかし、そこから一歩を踏み出せるかどうかで人生は確実に変わります。
あなたは「自分には何もない」と思いながらも「打開できる方法はないか」と、この記事にたどり着きました。
あなたには「自分の人生を切り開きたい」という意思があります。
そして、そのために一歩踏み出す「行動力」があります。
あなたにはたくさんの「強み」があります。
あなたがこの先も一歩を積み重ねて、望む人生を歩んでいけるよう応援しています。
小さな「自分らしさ」も、伝え方次第で立派なアピールになる
この記事を通して、あなたは「小さな自分らしさ」を見つけることができたでしょうか。
その「小さな自分らしさ」をどう思いますか。
「こんなものアピールに使えるわけない」と思うでしょうか。
でも、思い出してみてください。
実践編で、短所はすべて長所に言い換えられるとお伝えしたように、どのようなことも伝え方次第でポジティブにすることができます。
あなたのその自信のなさも「謙虚」や「慎重」と表現することができます。
その謙虚で慎重な「あなたらしさ」を、どのような経験から身に付けたかを伝えることができれば、それはもう立派な自己PRです。
見つけた「タネ」、どう育てればいい?一人で悩まずプロに相談する選択肢
「強みや自分らしさがわかってきたけど、ここからどう自己PRにしていけばいい?」「どうしても自分に自信が持てない」などと悩んでしまったときは、就職のプロの手を借りましょう。
就職支援サービスを利用すれば、プロがあなたの経験を掘り下げ、自己PRの作成を手伝ってくれます。
また、あなたの自己PRをプロの客観的な目で添削してもらうこともできるため「言葉足らずでわかりにくい」「言い回しを変えたほうがより伝わる自己PRになる」など、自分ではなかなか気付くことができない部分もカバーできます。
さらに、就職支援サービスのなかには、フリーターの就職支援に特化したサービスもあり、書類添削や面接試験対策、あなたに合った求人紹介などのサポートも無料で受けられます。
以下の記事では、20代フリーターの方におすすめの就職支援サービスを詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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