「フリーターだけど、そろそろ正社員にならないとまずいのかな……」
「就職するなら、いつから動き始めるべきなんだろう?」
こんな風に漠然とした不安を抱えながら、就職活動を先延ばしにしていませんか?
20代後半となり、正社員経験がないことに焦りを感じているフリーターの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フリーターが就職活動を始めるなら「今」が最適なタイミングという理由を詳しく解説します。
また、就職活動の具体的な行動ステップや、不安を解消しながら効率的に進めるための方法も紹介します。
「フリーターの就活、いつから始めるべき?」時期に悩むあなたへ
「もうすぐ30歳なのに、まだフリーター……」
「今から正社員なんて、もう手遅れなんじゃ……」
フリーターを続けるなかで、このような不安や焦りを感じている方は少なくありません。
周りの友人たちが正社員としてキャリアを築いていくなかで、自分だけが取り残されているような感覚に陥り、自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
しかし、安心してください。結論からいえば、「手遅れ」ということは決してありません。
たしかに、就職の年齢の壁は存在しますが、20代後半はまだ十分チャンスがある時期です。
その不安や焦りを「就職の原動力」に変えてみませんか?
就活を始めるのは「今」悩んでいる時間がもったいない!
「もっと良いタイミングがあるんじゃないか?」
「もう少し心の準備をしてからのほうが……」
就職活動を始めるにあたって、適切な時期を見極めたいと考えるのは当然です。
しかし、フリーターを含む中途採用枠で就職活動を始める方にとっての「完璧なタイミング」というのは存在しません。
むしろ「いつから始めようか」と悩んでいるその時間がもったいないのです。
このあと詳しく説明しますが、フリーターの就職活動は、年齢が若いほど有利に進められる傾向があります。
そのため、今すぐにでも行動を起こすことが何よりも重要だといえるでしょう。
フリーターの就活は「今」がベスト!「完璧な時期」は存在しない
フリーターの「就職活動時期」に関する誤解を解き、なぜ「今」が就職に最適な時期なのかという理由を具体的に見ていきましょう。
フリーター就活の「時期」に関する誤解
「新卒採用のように、フリーターにも就職しやすい時期があるんじゃないか?」
こんな風に考えていませんか。もしそうなら、それは大きな誤解です。
就職活動をするのに決まった時期があるのは、おもに新卒採用です。
新卒採用には、就職活動の解禁日といった明確なスケジュールがあります。
一方、フリーターの就職は、中途採用が主体となります。
中途採用で時期が決められたものは、公務員の中途採用や大手企業の専門職採用など、長期スケジュールで採用を実施するケースに限られるでしょう。
企業が中途採用を実施する時期の多くは、人材を必要とするその時々であり、決まったサイクルはありません。
求人が増える時期はあっても「就職に有利な時期」はない
「ボーナス後や年度末など、求人が増えるタイミングを狙ったほうがいいのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
実際に、求人が増える時期というのはいくつか存在します。
例えば、企業の決算時期や、新年度が始まる4月前などです。これらの時期は、人の入れ替わりや新たな事業展開にともなって求人が増える傾向にあります。
しかし、これはあくまで「求人の数が増える」というだけであって、「フリーターが就職に有利になる時期」とイコールではありません。
求人数が多い時期は、その分ライバルも増える可能性があり、競争率が高まることも考えられます。
求人が増える時期=あなたに合う時期とは限らない
求人が増える時期に、あなたにぴったりの求人が見つかる可能性はもちろんあるでしょう。
しかし、それは偶然の産物であり、あなたがその時期まで待つべき理由にはなりません。そして、応募後に採用されるかどうかはまた別の話となります。
むしろ、あなたが「正社員として働きたい」と決めたときに、就職活動を進めるほうが、結果的に納得のいく就職につながりやすいでしょう。
大切なのは、時期に合わせて就職活動を進めることではなく、就職したい気持ちが高まったときに、すぐに行動に移すことです。
なぜ「今」なのか?フリーターが今すぐ就活すべき理由
それでは、なぜ「今」すぐにでも就職活動を始めるべきなのでしょうか。
その理由を、年齢という視点から見ていきましょう。
「年齢の壁」の存在……30歳へのカウントダウン
日本の就職市場において「年齢の壁」は無視できない現実です。
特に、正社員経験がないフリーターの場合、この年齢の壁はより顕著に現れる傾向があります。
30歳が未経験から就職できる一つの節目
30歳という年齢は、未経験の職種や業界への就職において、一つの大きな節目とされています。
企業が未経験者を採用する際、その人材の「ポテンシャル」や「成長性」に期待する部分が大きく、評価基準として「年齢の若さ」が重視されるというのが、その理由といえるでしょう。
もちろん、30歳を過ぎてから未経験で正社員になることが不可能というわけではありません。
しかし、現実として、20代に比べて求人の数や選択肢が減り、企業が求めるスキルや経験のハードルが上がりはじめることは覚えておきましょう。
年齢が上がるほど仕事の選択肢が狭まる現実
年齢を重ねるほど、「若さ」や「伸びしろ」ではなく、「経験値」や「専門性」が問われるようになります。
新卒から就職して働いている場合、30歳ともなると、経験やスキルの習熟度が上がり、なかには管理職に就く人材も出始めるころです。
企業は、そういった社員の年齢とキャリアのバランスを考えるため、30歳以上の中途採用人材には、30歳以上の社員と同程度の経験やスキルを求めます。
年齢が上がってから就職活動を始めても、応募できる職種や業界が限定されたり、キャリアパスが描きにくくなったりと、仕事の選択肢が徐々に狭まっていくのが現実です。
だからこそ、まだ20代である「今から」の行動が大事になってくるのです。

フリーターが今から就活を始めるメリット
「年齢の壁」の話を聞くと、不安が募るかもしれませんが、今から就職活動を始めることには、多くのメリットがあります。
20代は「市場価値」が高く、就職しやすい
どの企業でも人手不足が課題となっている今、20代の人材は採用市場における価値が高く、比較的就職がしやすい状況です。
20代の市場価値が高い理由を以下で説明します。
若さとポテンシャルに期待できる
20代には、何よりも「若さ」と「ポテンシャル」があります。
会社の未来を担う若手社員の育成にも力を入れる企業は多く、入社後に成長し、会社の戦力となることに期待して採用を進めます。
あなたの若さや新しいことを吸収しようとする意欲は、企業にとって大変魅力的に映るでしょう。
20代の今、社会人経験が少ないことも就職で有利に
社会人経験の少なさについて引け目を感じている方も多いでしょう。しかし、それが逆に有利に働く場合もあります。
社会人経験が少ないということは、特定の企業文化や働き方に染まっていないということ。
企業からすると、自社の社風や仕事のやり方にスムーズに馴染んでくれると期待できる人材なのです。
もちろん、基本的なビジネスマナーや社会の一般常識は習得する努力が必要です。
しかし、これまでのアルバイト経験を通じて身に付いたスキルをうまくアピールできれば、十分採用になるチャンスがあります。
就活で自分の強みやスキルを発見できる
就職活動は、単に仕事を見つけるためだけの活動ではありません。実は、自分自身のことを深く知るための絶好の機会でもあります。
これまでのアルバイト経験を振り返り、自己分析を行なう過程で、今まで気付かなかった自分の強みやスキルを発見できることはよくあります。
例えば、飲食店アルバイトでの接客における「コミュニケーション能力」や「臨機応変な対応力」、倉庫内作業アルバイトでの商品管理における「正確性」や「時間管理」など、一見すると「たかがアルバイト」と思える経験のなかにも、企業が求める隠れたスキルが眠っていることは少なくありません。
不安定な現状から抜け出せる時期が早まる可能性
フリーターという働き方は、収入や雇用が不安定になりがちです。
新型コロナウイルス感染症の影響により営業が難しくなった飲食店等で、多くのアルバイト従業員が解雇になったという事例は記憶に新しいところです。
また、社会的な信用も得づらく、クレジットカードやローンの審査、賃貸契約などで不便を感じることもあるでしょう。
正社員として就職できれば、これまでの不安定な現状から抜け出し、収入や雇用の安定、社会的な信用の獲得といった大きなメリットを享受できます。
「いつかは正社員になりたい」という遠い願望を抱いているだけでは何も変わりません。
就職活動を今すぐに始めることで、その安定した未来をより早く手に入れられる可能性が高まるでしょう。
決意したら即行動!フリーター就活「今日からできる」最初の3ステップ
「よし、今から就職活動を始めよう!」そう決意したら、次は具体的な行動に移す番です。
しかし、「何から始めればいいのかわからない」という方もいるでしょう。
ここからは、フリーターが今すぐ始められる最初の3つのステップを紹介します。
ステップ1.まずは情報収集!求人を見てみよう
就職活動の第一歩は、情報収集です。
まずは、どのような仕事があるのか、自分にはどのような選択肢があるのかを知るために、求人情報を眺めてみましょう。
どのような業界にどのような仕事があるのかを調査
最初は、世の中にどのような業界や仕事があるのかを調査することから始めましょう。
求人サイトをざっと見て、興味のある業界や職種があれば、その仕事内容を調べてみてください。
「営業ってどのような仕事をするんだろう?」「事務職はどういったスキルが必要?」など、具体的な仕事内容や求められるスキルを調べることで、あなたの興味の方向性や、今後身に付けるべきスキルが見えてくるはずです。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、あらゆる職業の仕事内容を検索することができます。
さらに、サイト内の自己診断ツールでは「職業興味検査」「仕事価値観検査」「職業適性テスト(Gテスト)」など、自分の仕事の適性や興味の傾向がわかる診断テストも受けられます。
こちらもぜひ活用してみましょう。
▶厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
未経験者歓迎・ポテンシャル採用の求人を中心に探してみよう
中途採用の求人は、実にさまざまな種類があり、なかには豊富な経験や高いスキルが必須となるものも少なくありません。
実際に就職して働くということを考えると、自分の経験やスキルでも採用されそうな求人を見つけていくのが就職への近道となります。
フリーターの方におすすめなのは、「未経験者歓迎」や「経験不問」、「ポテンシャル採用」と記載された求人です。
これらの求人は、経験よりも意欲や人柄、将来性が重視されています。まずはこのような求人を中心に探してみましょう。
ステップ2.理想の働き方を具体的にイメージする
漠然と「正社員になりたい」と考えるのではなく、「どのような働き方をしたいのか」を具体的にイメージしてみましょう。
これにより、応募する企業や職種を絞り込む際の基準が明確になり、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
譲れない条件と妥協できる点の整理
給与、勤務地、残業時間、休日、仕事内容、職場の雰囲気など、あなたが仕事に求める条件をリストアップしてみましょう。
次に、それらの条件を「絶対に譲れない点」と「妥協できる点」に整理します。
この整理は、応募する企業や職種の選択肢を広げるために行なうものです。
経験豊富で高いスキルを持つ人でも、希望をすべて叶える求人を見つけるのはなかなか難しいこと。未経験者であれば、なおさらその傾向は強まります。
例えば、「地元で働きたい」「土日は休みたい」「人と接する仕事がしたい」といった譲れない条件があれば、それらを軸に求人を探せるため、絞り込みがしやすくなるでしょう。
逆に、「給与は最初低くても経験を積みたい」「多少の残業は許容できる」といった妥協点があれば、より多くの求人を検討できるようになり、選択肢が広がります。
5年後、10年後の自分を想像してみる
5年後、10年後のあなたのキャリアを想像してみるのもよいでしょう。
「5年後には、このスキルを身に付けていたい」「10年後には、こんなポジションで働きたい」といった具体的な目標を持つと、モチベーションにもつながります。
ステップ3.フリーター経験を「武器」に変える自己分析
「アルバイト経験しかないから、アピールできることなんて何もない……」
その考えは、大きな間違いです。
フリーターとして過ごしてきた期間は、決して無駄ではありません。
むしろ、そこで得た経験やスキルは、正社員就職における強力な「武器」となり得るのです。
自己分析で、自分の強みやスキルを明らかにしていきましょう。
フリーター期間で得た「隠れたスキル」を発掘する
自己分析とは、これまでのあなたの経験を振り返り、そのなかで培われたスキルや強み、そして価値観を明確にする作業です。
例えば、コンビニエンスストアでのアルバイトなら「接客力」「商品管理能力」「マルチタスク能力」、飲食店なら「協調性」「効率性」「状況判断力」、倉庫内作業なら「正確性」「責任感」「体力」など、どのようなアルバイト経験にもビジネスに活かせる「隠れたスキル」が必ず存在します。
具体的なエピソードを思い出しながら、以下の点を書き出してみましょう。
担当業務 | どのような仕事をしていたか、担当していた業務は? |
担当業務 | どのような仕事をしていたか、担当していた業務は? |
成功体験 | どのような場面で「うまくいった」と感じたか、その成功の要因は? |
失敗体験 | どのような失敗をして、そこから何を学び、どう改善したか? |
得意なこと | どのような仕事が得意だと感じたか、周りから褒められたことは? |
好きなこと | どのような仕事をしているときに、楽しいと感じたか? |
大切にしていること | 仕事をするうえで、どのようなことを大切にし、意識していたか? |
これらの情報を整理することで、あなた自身の強みや、企業にアピールできるポイントが見えてくるはずです。
経験の少なさは弱点ではなく「伸びしろ」としてアピール
正社員としての経験が少ないことを弱点だととらえる必要はありません。
むしろ、それは「まだ伸びしろがある」「新しいことを柔軟に吸収できる」というポジティブな要素としてアピールできます。
「経験がないからできません」と諦めるのではなく、以下のような形で前向きな姿勢と意欲を示していきましょう。
- これまでのアルバイトで培った〇〇の経験を活かし、貴社で〇〇として貢献したいと考えています。
- 持ち前の学習意欲と適切な状況判断をともなう行動力で、一日も早く戦力となれるよう努力いたします。

就活の注意点と効率的に進める方法
就職活動を成功させるには、いくつかの大切なポイントがあります。
やみくもに進めるのではなく、計画を立てて効率的に動くことが何よりも重要です。
ここからは、就職活動における注意点と、スムーズに進めるためのコツを紹介します。
無計画な就活は長期化するおそれがある
就職活動を進める際、最も注意すべきは無計画な進行です。
自己分析もそこそこに、手あたり次第求人に応募したり、志望動機や自己PRも使い回しで済ませたりする無計画な就職活動は、長期化するおそれがあります。
書類選考で落ち続けたり、面接で自分の強みをうまく伝えられなかったりすると、モチベーションも下がり、諦めてしまうことにもつながりかねません。
就活の筋道を立て、効率よく進めるには?
効率よく就職活動を進めるためには、まずしっかりとした道筋を立てることが不可欠です。
段階を踏んで計画的に動くことで、就職活動の効果が現れ、納得のいく結果にたどり着ける可能性が高まります。
スケジュール管理で効率化を図る
就職活動は、情報収集、企業への応募、選考対策、面接など、たくさんのことを進めていく必要があります。
そのため、スケジュール管理が非常に重要です。いつまでに何を終わらせるのか、具体的な目標を設定し、それに沿って日々の行動を計画しましょう。
例えば、企業説明会の参加日程、応募書類の提出期限、面接日などをカレンダーに書き込み、常に全体像を把握することで、漏れなく効率的に就職活動を進められます。
就職支援サービスのプロの手を借りてみる
一人で段取りよく就職活動を進められるか不安を感じることがあるかもしれません。
そのようなときは、就職支援サービスに登録してプロの手を借りてみてください。
担当のキャリアアドバイザーが、応募書類の準備期限や面接日の調整など、就職活動全般のスケジューリングを行なってくれるので、効率よく安心して進めることができるでしょう。
相談相手がいることで前向きに取り組める
就職活動は、精神的な負担も大きいものです。一人で悩み壁にぶつかると、どうしてもネガティブな気持ちになりがちです。
そのような状態のときに、キャリアアドバイザーという「相談相手」がいれば、あなたの大きな心の支えとなるはずです。
きっと、前向きな気持ちで就職活動を継続できるでしょう。

フリーターの就活は「今」がそのタイミング!行動を先延ばしにしない
「もう遅い……」「手遅れだ……」というネガティブな思い込みは、あなたの可能性を閉ざしてしまうおそれがあります。
そして、「いつかやろう」は「いつまでもやらない」と同じこと。悩んでいる間に、時間はどんどん過ぎていきます。
就職活動を始めるタイミングは、就職をしようと思った「今」なのです。
自分に合った就活の進め方を見つけよう
就職活動は一人ひとり状況が異なるため、すべての人に共通する「正解」はありません。
大切なのは、自分の性格やライフスタイル、これまでの経験に合わせた最適な進め方を見つけることです。
例えば、何から始めていいかわからない場合は、最初から若年者や未経験者に対応した就職支援サービスを活用するのもよいでしょう。
自力で情報収集や就職対策を進めたい場合は、インターネットの求人サイトや企業の採用ページを積極的に活用し、自己分析や企業研究を徹底することが重要です。
いずれの進め方を選ぶにしても、途中で挫折をしないよう無理のないスケジュールで、着実に目標に向かって進んでいくことが成功の鍵となるでしょう。
あなたの可能性は就職活動を始める今から開いていきます。諦めずに、納得のいくキャリアをつかんでください!