就職活動を進めるなかで、必ず立ちはだかるのが志望動機。入社意欲や企業研究の成果を自分の言葉でまとめなければならないため、苦手意識のある人が多いかもしれません。
また、履歴書や企業指定の様式、Webフォームなど、志望動機を書く様式もさまざまあり、内容以前に「何文字書けばいいの?」と疑問に思ったまま手が止まってしまった人もいるのではないでしょうか。
今回は、あなたを悩ませる志望動機の文字数について、履歴書やWebフォームなどの状況別に詳しく解説します。
はじめに 志望動機の文字数は「どれくらい書くのが普通?」と悩んでいませんか?
就職活動では、書類の書き方や面接の受け答え、服装など、明確な正解がないものについて、あなたなりの正解を表現しなければなりません。
志望動機の文字数も同じことです。
「普通は」「一般的には」というあいまいな基準に悩んだときは、自分で判断せずにまずは調べてみましょう。
世の中の「普通」を知ったうえで、あなたなりの答えを持っておくことが、就職活動を前進させてくれます。
履歴書の枠、Webフォームの入力欄……いざ書こうとすると気になる「長さ」
あなたが応募しようとしている企業は、書類選考にどのような様式を指定しているでしょうか。
市販の履歴書で良い企業もあれば、様式を指定する企業やWebフォームからの応募を求める企業など、規模や業界にかかわらず、募集形態は企業によってさまざまです。
履歴書では欄がきっちり埋まった志望動機も「Webフォームはこの文字数でいいのかな?」と不安になるのも無理はありません。
大丈夫!この記事で適切な文字数の目安と理由がしっかりわかります
この記事では、志望動機の適切な文字数をケースごとに紹介するほか、適切な文字数で書くメリットについても解説します。
答えだけを知っても「なぜ」を理解しなければ、自信やモチベーションはついてきません。
これを読めば、あなたは志望動機の文字数に悩むことがなくなるのはもちろん、今よりも納得感と自信を持って志望動機の作成に取り組めるようになるはずです。
文字数の不安をなくして、自信を持って志望動機の内容作成に進みましょう!
学生時代のテストとは違い、就職活動に明確な正解はありません。たとえ同じ問いであっても、企業によって正解が違うというのはよくあることです。
志望動機だけをとっても、文字数や内容、言葉の使い方など、疑問は山ほどあります。
つい投げ出したくなるかもしれませんが、一つひとつにしっかりと向き合い、あなたなりの答えを探し続けることが採用への近道です。
文字数の不安は今日ここで解消し、次はあなたの魅力をアピールする志望動機の作成に進んでいけるようにしましょう。
文字数がなぜ大事?志望動機の「長さ」が与える第一印象
志望動機にかかわらず、自己PRなどの自由記載欄は適切な文字数で書くことが大切です。
ここではその理由について解説します。
長すぎる志望動機と短すぎる志望動機が、それぞれ採用担当者にどのような印象を与えるのか、あなたも採用担当者の気持ちを想像しながら考えてみてください。
短すぎると「熱意が足りない」「準備不足」
採用担当者が、応募者の履歴書に目を通すときのことを想像してみましょう。
ほかの応募者は、欄が埋まるほどびっしりと志望動機を書いていますが、あなたの履歴書を見ると、パッと見ただけで空白が多いのがわかります。
あなたがどれだけその企業への入社を熱望していたとしても、これでは採用担当者が「本当に入社する気があるのかな?」「準備をせずに適当に書いたのかな」と感じてしまう可能性があります。
長すぎると「読みにくい……」「要約力がない」「自己中心的」
こちらも、採用担当者の気持ちになって考えてみましょう。
ほかの応募者の履歴書は読みやすい大きさの文字と簡潔な文章で書かれていますが、あなたの履歴書を見ると、目を凝らさないとよく見えないほど小さな文字で、欄をはみ出すほど長々と志望動機が書かれています。
「熱意のあまり長くなってしまったのかな」と好意的に取ってくれる企業もあるかもしれませんが、「もう少し簡潔に書けなかったのかな」「読む人の気持ちを想像できないなら、仕事でかかわる人の気持ちも想像できないだろうな」と思わせてしまう可能性があります。
また、Webフォームの場合は、文字の大きさを気にする必要はありませんが、長すぎる志望動機が読む人の負担になることに変わりありません。
適切なボリューム感は「配慮」と「意欲」の表れ
就職活動は、あなたのすべてに目が向けられています。
志望動機であれば、内容だけではなく文字数や丁寧に書かれているかなど、採用担当者が目にするすべてが、あなたという人間を見極める材料になります。
適切なボリューム感の志望動機は、採用担当者への「配慮」と、制限があるなかで精いっぱい自分をアピールしようとする就職活動への「意欲」のアピールにつながるのです。
【種類別】これで安心!志望動機の文字数の目安
ここでは、履歴書などの紙媒体の場合、Web応募フォームで文字数の指定がない場合、Web応募フォームで文字数の指定がある場合の3つのパターンについて、志望動機の文字数の目安をお伝えします。
履歴書の志望動機欄の場合
履歴書などの紙媒体の多くは、志望動機を書く欄が用意されています。欄の大きさに応じて文字数を調整するのがポイントです。
先ほどお伝えしたとおり、欄の空白は「意欲が感じられない」と、悪い意味で目立ってしまうため、空白はできるだけ埋めることを目指します。
ただし、空白を埋めるために過剰に大きな文字で書いたり、不自然な字間や行間を作ったりするのは絶対にNGです。
目安は欄の8割~9割以上を埋めること
履歴書の志望動機欄は、最低でも8割以上を埋めるようにしましょう。
理由は、空白を最小限にすることで入社への意欲を表現できるからです。
志望動機に限らず、自己PR欄など、自分をアピールできる欄はすべて使い切るのがおすすめ。
一般的な履歴書の志望動機欄は、200字~300字が適切な文字数とされているので、それも参考に志望動機を書いていきましょう。
いきなり書き始めずに、先にコピーした履歴書での試し書きをするのがおすすめです。
志望動機欄の8割以上の範囲で、文章が収まっているかを確認してください。
欄の8割に満たない、または欄から溢れてしまうという場合は、自分以外の人にとって読みやすいかどうかを意識しながら調整しましょう。
また、手書きの場合は、いつもより丁寧に文字を書くように意識してください。
きれいな文字が書けなくても、丁寧に書いたかどうかは読んだ相手に伝わるものです。
Web応募フォームの場合(文字数指定なし)
欄や文字数制限など、基準となるものがないため、迷いやすいのがこのパターン。
基本の考え方は、ほかと同じように採用担当者への「配慮」とあなたの就職活動への「意欲」を表現することです。
文字数制限がないからといって、だらだらと書いてはいけません。
目安は300字~400字程度
Web応募フォームで志望動機を書く場合は、300字~400字程度を目安にしましょう。
履歴書などの紙媒体は、欄があるため視覚的な読みやすさにも気を使わなければなりません。
しかし、Web応募フォームの場合はその必要がなく、紙媒体と比較して多めに文字を書くことができます。
アピールできる文字数が増えるのは、あなたにとってチャンスです。
文字数を稼がなければと、無駄に長い言い回しにしたり、意味のないエピソードを加えたりするのは、もったいないので絶対にやめましょう。
文字数が足りないのは、あなたの入社意欲や企業理解度が表現しきれていないと考え、あなたの志望動機がより輝く言葉やエピソードなどを加えていきましょう。
Web応募フォームの場合(「〇〇字以内」などの文字数指定あり)
最後は、Web応募フォームで文字数指定がある場合です。
文字数が指定されているため一見わかりやすいですが、それだけに誤解されやすいのがこのパターンです。
「〇〇字以内」と書かれているからといって、指定された文字以内なら何文字でもOKというわけではありません。このような場合も「適切な文字数」は必ずあります。
「ラッキー!」と素直に受け取って、短すぎる志望動機を書くなんてことがないように気を付けましょう。
目安は指定文字数の8~9割以上
例えば企業から指定された文字数が500字以内だった場合、最低でも指定の文字数の8割以上となる400字は書く必要があります。
可能であれば9割以上の450字以上500字以内を目指しましょう。
企業が文字数を指定するということには、さまざまな意図があると考えられますが、どの場合も共通するのは「企業側が指定した文字数は、企業側にとって適切な文字数」ということです。
指定文字数を大きく下回ったり上回ったりすれば、採用担当者に「想像力がない」という印象を与えることになりかねません。
さらに、文字数が少なすぎる場合は「入社意欲がない」と判断されてしまう恐れがあります。
【ケース別】こんなときどうする?文字数指定への対応方法
文字数の考え方の基本はこれまでお伝えしてきたとおりです。
ここでは、さらに細かい疑問にQ&A形式でお答えします。
採用担当者は文字数をどう見ている?
この記事では、これまで何度か採用担当者の気持ちを想像してみるようにお伝えしてきました。
企業によって考え方が異なるように、採用担当者によっても考え方はそれぞれです。
ここでは採用担当者が志望動機の文字数をどのように見ているのか、その一例をお伝えします。
「文字数」より「内容」が重要なのは大前提
いくら指定の文字数ぴったりに仕上げても、内容が支離滅裂なら何も伝わりません。
当然のことですが、文字数と内容を天秤にかけたら、重視するべきは内容です。
しかし、これは極論です。重視すべきは内容ですが、だからといって文字数をおろそかにしていいということにはなりません。
そもそも、どちらかを選ばなければならないという状況を作るべきではないのです。
適切な長さは「誠実さ」「熱意」の表れとして好印象!
適切な長さの志望動機は、企業の意図を汲み取ろうとする「誠実さ」や就職活動に対する「熱意」を感じさせ、採用担当者に良い印象を与えると考えられます。
逆にいうと、適切な長さで書かれていない志望動機は、せっかく時間をかけて作っても「空白だらけでやる気が感じられない……」「長すぎて読むのが大変そう……」などとマイナスの気持ちで読まれてしまう可能性があります。
採用担当者としてどちらの応募者を選びたくなるかは、あなたにも想像がつくはずです。
ちょっとした工夫で変わる!文字数を調整するコツ
ここからは、文字数が多いときと文字数が足りないとき、それぞれの場合で文字数を調整するコツをいくつかお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
そして、文字数を調整したときは、最後に必ず文章全体をチェックしましょう。
時間をかけて文字数を調整したのに、文章全体で意味が通らなくなってしまったということにならないように、気を付けてくださいね。
【文字数が足りない!】内容を深掘りして具体性をプラス
まずは、文字数が足りないときに文字数を調整する方法を3つ紹介します。
「せっかく書ききったのにまだ足りないの?」と嫌になってしまうかもしれませんが、指定された文字数に足りないということは、書くべきことがまだあるはずです。
文字数を増やすことではなく、内容を濃くすることを意識して取り組んでみましょう。
なぜそう思う?具体的なエピソードを加えてみる
1つ目の方法は、志望動機として書いてあることの一つひとつに「なぜそう思う?」と問いかけてみることです。
例えば「〇〇業界で働きたいと考えています」という文章に対し「なぜそう思う?」と問いかけてみると、あなたがその業界に関心を持ったきっかけのエピソードが思い出されるのではないでしょうか。
そのなかにある、まだ志望動機に盛り込んでいないアピールになりそうなエピソードを志望動機に加えると、よりリアルになっていきます。
会社のどこに魅力を感じた?もっと具体的に書いてみる
2つ目の方法は、あなたが会社に感じている魅力をもっと深掘りして具体的に書いてみることです。
例えば、あなたが会社に感じている魅力が「社員の成長をサポートする体制が整っているところ」とすると、「具体的にどのような制度に魅力を感じているのか」「あなた自身はそれをどのように利用して成長し、会社に対してどのように貢献していきたいのか」などについて書き足すと、あなたの真剣みがより伝わる志望動機になります。
入社後どう貢献したい?意欲をもっと詳しく表現してみる
3つ目の方法は、入社後、会社にどのようにして貢献していきたいかを、もっと詳しく書いてみることです。
「どのような分野」であなたの「どのような能力」を発揮して、会社に「どのような利益」をもたらしたいかを、あなたなりに表現してみましょう。
【文字数が多すぎる……】簡潔にわかりやすくまとめる
次に、文字数が多すぎるときに文字数を調整する方法を3つ紹介します。
文字数を減らすときは、あなたが伝えたいことの核を残して、文章を簡潔に、わかりやすくしていくことがポイントです。
一文を短く、よりシンプルな表現で
志望動機の作成に取り組んでいると「8割以上書かなきゃ」などと意識するあまり、文章が長くなってしまうことがあります。
まずは一文ずつ文章を確認し、長々と書いている文章があれば、簡潔にできないかを検討してみましょう。
例えば、「~になってきています」を「~になっています」、「~することができます」を「~できます」などと書き換えると、文字数の節約になることはもちろん、よりストレートに相手に伝わる文章になります。
同じ意味の文や不要な接続詞がないかチェック
例えば、「接客の経験を活かした仕事に就きたいと考えております」と「身に付けてきた接客スキルで貴社の商品をさらに多くのお客様の手に届けられるよう貢献したいと考えております」という文章は、どちらも伝えたいことは「経験を活かして接客の仕事がしたい」ということですよね。
欄や文字数の制限があるなかで、同じ意味の文章を繰り返すのはもったいない。どちらかを削ったり文章をまとめたりすることで調整しましょう。
また、「なぜなら」や「そして」など、なくても意味が通る接続詞は削除しましょう。文字数が削減できるだけではなく、よりシンプルでわかりやすい文章になります。
箇条書きへの書き換えで文字数を節約
「応募する会社の魅力的に感じているところ」や「入社後貢献したいこと」など、同じトピックスで伝えたいことが複数ある場合は、箇条書きを検討しましょう。
長々と文章で語るよりも箇条書きにしたほうが簡潔でわかりやすく、文字数を節約することができます。
ただし、箇条書きは目立つため、志望動機に直接関係のないことを箇条書きにするのはNG。
箇条書きにするのは、あなたのアピールになるポイントと理解しておきましょう。
【Q&A】志望動機の文字数について
ここからは、志望動機の文字数について、さらに細かな不安や疑問にQ&A形式でお答えします。
まとめ 文字数の目安はこれでOK!安心して「内容」に集中を!
この記事では、志望動機の適切な文字数とその理由、字数調整のコツなどについて詳しくお伝えしてきました。
ここまで読み進めてきたあなたなら、もう志望動機の適切な文字数が判断できるようになっているはずです。
安心して、志望動機の内容作りに集中して取り組んでくださいね。
適切な文字数を守ることは、あなたの誠実さをアピールすること
採用担当者が目にするすべてが、あなたという人間を見極める材料になります。
いくら「長所は誠実なところです」と言葉で伝えても、指定された文字数を大幅にオーバーしていたり、あっさりした内容だったりしたら、採用担当者はあなたの「誠実」という言葉を信じることができません。
適切な文字数を守り、あなたという人間の誠実さをしっかりアピールしていきましょう。
文字数の心配は解決!熱意が伝わる内容作りへ!
熱意が伝わる志望動機に欠かせないのは、自己分析と企業研究です。
自己分析は、あなたのこれまでの経験を振り返り、あなたの強みと希望する働き方を明確にしていくことです。
また、企業研究は、企業のWebサイトや就職支援サイトの口コミなどを調べ、あなたなりの「この会社でなければならない理由」を探していくことです。
どちらも楽な作業ではありませんが、ここまで記事を読み進めたあなたならきっと乗り越えられます。
もしも志望動機の作成が不安なら……?
「文字数はわかったけど、どうしてもうまく書けない」「フリーター経験をどう伝えたらいいんだろう?」「この志望動機でいいのかな」などと不安を抱えていませんか。
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