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    フリーターから正社員はなぜ難しい?根本的な原因を探り就職成功のヒントをつかむ

    「フリーターから正社員になりたいけれど、なかなかうまくいかない……」そう思う原因を、根本から見つめ直してみませんか?

    選考に落ちる原因として、企業はフリーターに対し、就職についてあらゆる懸念を抱いていることが多く、マイナスイメージを持つケースもあります。

    これらの印象を払拭し、就職を成功させるにはどうすればよいのでしょうか?

    この記事では、フリーターの就職が難しいといわれる理由を深掘りし、あなたが正社員の座をつかむための具体的なヒントを探ります。

    目次

    フリーターから正社員への就職はなぜ難しいといわれるか?

    フリーターという働き方を選択したものの、将来への不安から正社員を目指す方は少なくありません。

    しかし、その道のりは決して平坦ではないといわれます。なぜ、フリーターから正社員への就職は難しいのでしょうか?

    新卒至上主義の日本企業が多い

    まず、正社員を新卒で一括採用するという新卒至上主義を持つ日本企業の多さが挙げられます。

    なぜ、仕事のスキルや経験のない新卒を多く採用するのでしょうか?

    日本企業の新卒採用は、長年にわたって同じ方法を取り、慣習化されています。

    企業は新卒を一から育成することをあたり前として採用を実施。

    育成にかかったコストは後年、成長した社員が働き、もたらす利益で回収していきます。つまり、長期的な勤務を期待して新卒を採用しているのです。

    これは、終身雇用制度や年功序列制度のなごりとも考えられるでしょう。

    ほかにも以下のような理由から、企業は新卒一括採用を続けています。

    • 社員の年齢構成や数を維持しやすい
    • 他社での経験がなく、自社の文化に染めやすい
    • まとめて教育できるため効率が良い

    新卒時に就職できなかったフリーターは、大量採用の恩恵を受けられず、第二新卒採用や中途採用の枠で就職を目指すことになります。

    中途採用は経験・即戦力重視

    中途採用は新卒採用と異なり、経験を重視し、即戦力となる人材を優遇する傾向です。

    経験値の高い人材を採用したい理由としては、おもに事業拡大や欠員補充などの緊急性が高いことが挙げられます。

    育成にかけられる時間はなく、入社後すぐ業務に対応できる人材が求められます。

    前職で培った専門知識やスキル、実績を持つ中途採用人材は、生産性の向上や新たな視点の導入などを期待されているのです。

    フリーターの多くは、この中途採用の求人に応募をします。

    ほかの応募者のなかに経験豊富な人材がいると、採用される確率は下がってしまうでしょう。

    正社員が難しい原因は年齢や経験が理由ではない

    フリーターの正社員就職が難しい原因は、年齢や経験が影響しているとも思われがちです。

    しかし、急激な人手不足と少子高齢化が進む現在、正社員の求人は増加傾向にあり、特に20代は就職のチャンスが継続中。

    そのため、年齢のせいで就職できないという可能性は低いといえます。

    また、フリーターの経験を評価する企業が一定数あることから、一概に経験不足が正社員になれない原因ともいえないでしょう。

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    就職を困難にする根本的原因はフリーターの印象にある

    年齢や経験が正社員になれない原因ではないのに、フリーターは就職が困難といわれてしまう理由。

    それは、企業がフリーターにあまり良い印象を持っていないことが挙げられます。

    そしてそのイメージが、就職を不利にする根本的な原因でもあるのです。

    フリーター経験を評価しない企業が抱える懸念

    残念ながら、フリーター経験を評価しない企業も存在します。

    正社員採用予定のある企業のうち、約2割がフリーター経験をマイナス評価するという調査結果は、フリーターへの風あたりが厳しいことを表しているでしょう。

    そのような企業が抱えている懸念とは、一体どのようなものなのでしょうか?

    参考:厚生労働省 平成30年若年者雇用実態調査の概況

    根気がなく早期退職するのではないか

    第一に、「根気がなく、すぐに仕事を辞めてしまうのではないか?」という懸念です。

    フリーターは職を転々としている印象が強く、早期退職をするのではないかと企業は疑っているのです。

    たしかに、フリーターのなかには意思が弱く、仕事が続かないという方もいるでしょう。

    しかし、フリーターの道を選んだ理由としては、正社員で働きたくないという消極的なものがある一方で、「正社員で採用されなかった」「生活のために急いで働く必要があった」「将来の仕事のために勉強したかった」といったやむを得ない事情や、前向きな理由があることも事実です。

    また、フリーターは正社員と比較し賃金が低いことは、あらゆる調査データで明らかになっています。

    より時給の高い仕事があれば職を変える行動も、不自然な話ではありません。

    年齢相応のスキルや知識が不足している

    年齢相応のスキルや知識が不足しているという印象も、企業がフリーターを敬遠する一因です。

    アルバイトの期間が長いフリーターは、教育を受ける機会が少なく、社会人として成長する意欲も低いと考える企業があるようです。

    しかし、フリーターのなかには、業務内容について正社員とほとんど差がなく、スキルや知識もそれなりにあるのに、給与が低いと悩んでいる方もいるでしょう。

    「フリーターは全員経験が不足している」と一緒くたにするのは、短絡的であり、実態をとらえていないといわざるを得ません。

    職業に対する意識が低く責任感に欠ける

    以下のイメージから、フリーターは職業に対する意識が低く、責任感に欠けると思い込んでいる企業もあります。

    • 仕事を通じて何かを達成したいという目標がなく、日々の業務を単なる作業としてこなしている
    • アルバイトやパートという雇用形態で、責任を負うような仕事を経験していない

    しかしながら、非正規という雇用形態であっても、仕事への意識が低いと一概に決めつけることはできません。

    例えば、アルバイトリーダーとしてチームをまとめたり、時間帯によっては一人で店舗を切り盛りするワンオペレーションを任されたりするような仕事は、主体性や責任感がなければ務まりません。

    また、コールセンターのように、顧客からの問い合わせに対して担当者が責任を持って対応する業務も、高い意識と責任感が求められます。

    参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 JILPT 調査シリーズ No.43 2008年3月 企業における若年層の募集・採用等に関する実態調査

    フリーターが正社員採用で落ちてしまう理由

    フリーターの正社員就職が難しいとされる背景には、フリーターという働き方だけでなく、企業側の先入観も大きく影響しているということを、ご理解いただけたでしょうか。

    ここからは、正社員になれる可能性を秘めているにも関わらず、フリーターが採用選考で落ちてしまう理由について解説していきましょう。

    自己PRや志望動機が弱い

    正社員採用において、企業は応募者の潜在能力や入社意欲を重視します。

    フリーターとして働いてきた経験も、仕事をしてきたという事実から、アピールできる要素は必ずあるはずです。

    しかし、自己PRや志望動機が弱いと、企業の採用担当者に「入社後何をしたいのか」「自社でどのように活躍してくれるのか」ということが伝わりません。

    過去のアルバイト経験を単に書き連ねるだけでなく、そこから何を学び、どのような成長があったのか、そしてそれが正社員としてどのように活かせるのかを、具体的に伝える必要があります。

    就職活動対策や行動量が足りていない

    正社員の就職活動は、アルバイトを探すのとは異なり、より綿密な準備と対策が重要です。

    履歴書や職務経歴書の作成、面接対策、企業分析などの準備を怠ると、自身の魅力を十分に伝えきることができません。

    また、求人情報の収集や企業説明会への参加は、積極的に行なっていきましょう。

    行動量が足りず、大事な情報を得られなかったり、求人の応募数が少なかったりすると、採用のチャンスを逃してしまうおそれも。

    受け身の姿勢ではなく、「どうしてもこの会社で、正社員として働きたい」という強い意志を持って臨むことが大切です。

    希望ばかりを優先している

    給与、勤務地、職種、休日、福利厚生など、自分の希望条件ばかりを優先しても、その求人に見合う実力や経験がなければ、選考に落ちてしまいます。

    企業が応募者を選ぶ側であることを忘れないようにしましょう。わがままを言っても、企業に認められなければ選考は通過できません。

    希望については、どうしても譲れない条件や優先度の高いものを3つ程度に絞りましょう。

    自分はどのように企業へ貢献できるのか?という視点を持つことが大切です。

    背伸びし過ぎず、現実的な目線で求人を探し、応募しましょう。

    フリーターから正社員就職を成功させるためのヒント

    ここまで、フリーター就職の現状という厳しい話を続けてきました。

    しかし、フリーターだから正社員で就職できないわけではありません。

    意識の変化と具体的な行動で、フリーターから正社員への道は開けます。

    ここからは、あなたの強みを活かし、正社員就職を成功させるヒントを紹介していきましょう。

    未経験歓迎求人やポテンシャル採用を行なう企業へ応募する

    経験不問とする未経験歓迎の求人や、将来性や意欲を重視したポテンシャル採用を行なう求人へ積極的に応募してみてください。

    中小企業のおよそ3割はポテンシャル採用を実施しているという調査結果もあります。

    このような採用を実施している企業は、あなたのこれまでの経験よりも、入社後の成長に期待を寄せているのです。

    高いスキルや経験がなくても、アピール次第で正社員の職を得られる可能性が十分にあるでしょう。

    参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 労働政策研究報告書No.195 2017 中小企業における採用と定着

    履歴書・職務経歴書の書き方を見直す

    フリーターでもいろいろな経験を積んできた方は多いはず。それらの経験を効果的にアピールするためにも、履歴書や職務経歴書の書き方を見直してみましょう。

    書類選考を通過するには、履歴書と職務経歴書で自分の魅力を最大限伝えなくてはなりません。

    企業の採用担当者に「面接で会ってみたい」と思わせる内容を書くには、まず「自分にできること」を把握します。

    これまでの仕事では何をやってきて、どのような経験を得てきたでしょうか?

    具体的なエピソードも交え、入社後の活躍を予感させる内容を心がけた自己PRや、正社員で働きたいという熱意、企業への貢献意欲を盛り込んだ志望動機を記入します。

    求人の募集要項や企業のWebサイトをしっかり読んで、企業の求める人物像を理解し、自分の強みとの接点を探ってみましょう。

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    興味や視野を広く持つ

    正社員求人の種類は多岐にわたります。

    自分の興味ある分野だけでなく、少しでも気になる業界や職種があればどんどん情報を集めてみましょう。

    企業のWebサイトや求人情報をチェックする以外に、業界に関するニュースを読んだり、企業セミナーや説明会に参加したりするのも有効です。

    このように視野を広げていくと、意外な分野で自分の適性や新たな興味を発見できるでしょう。

    応募できる求人が増えると、正社員就職の成功も近づくはずです。

    サポートを受けながら就職活動を進める

    就職活動を進めることに不安を感じる場合は、ぜひ外部のサポートを利用してください。

    ハローワークや民間の就職支援サービスでは、求人情報の提供だけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など、さまざまなサポートを無料で受けられます。

    また、プロのキャリアアドバイザーに相談することで、自分の強みや適性に合った仕事が見つかるヒントを得られるかもしれません。

    SNSも活用しよう!

    就職支援サービスのほかに、InstagramやXといったSNSツールもうまく活用したいところです。

    SNSにも求人や企業などの情報が発信されています。

    さらに、同じように正社員就職を目指す仲間と情報交換をすると、モチベーション維持につながるでしょう。

    就活がうまくいかないときは就職支援サービスを使ってみよう

    自分一人での就職活動がうまくいかずに焦ってしまい、空回りしていませんか?

    そんなときは、思いきって就職支援サービスの利用を検討してみましょう。

    職歴なしでも支援してくれるサービスがある

    フリーターのようにアルバイト経験しかない、職歴がないという方にも、就職支援サービスは心強い味方になります。

    キャリアアドバイザーがあなたの経歴や希望などをしっかりヒアリング。

    あなたの個性や強みを見つけ出し、それを企業に効果的に伝える方法を一緒に考えてくれます。

    あなたに適した未経験者歓迎の求人や、ポテンシャルを重視する企業の求人も複数紹介してくれるでしょう。

    自信を持って就職活動に臨むためのサポート体制が整っているので、まずは相談してみることをおすすめします。

    プロの力を借りながら正社員就職を目指す

    就職支援サービスに登録すると、転職市場の動向や企業の採用ニーズに詳しいキャリアアドバイザーが担当としてついてくれます。

    数多くのフリーターの就職をサポートしてきたプロの視点は、客観的かつ的確な内容。

    履歴書や職務経歴書の添削をはじめ、模擬面接や企業別の対策など、実践的なアドバイスを受けることで、選考通過率の向上につながります。

    また、キャリアアドバイザーの後ろ盾は大きな安心感も得られます。前だけを向いて正社員就職を目指しましょう。

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    フリーターから正社員になれた人の割合は?

    ここで突然の質問ですが、フリーターから正社員になれた人の割合を知っていますか?

    先にフリーターを卒業した先輩たちの気になるデータは、以下となります。

    フリーター期間の長さにより正社員になれる割合が異なる

    独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行なった調査では、フリーター期間の長さによって、正社員になれる割合が異なるということが明らかになりました。

    • フリーター期間1年以内:68.8%
    • フリーター期間3年以内:56.6%
    • フリーター期間5年以上:32.3%

    フリーター歴が3年以内の場合は半数以上が正社員就職を成功させていますが、5年を過ぎると一気に3割程度まで低下。

    フリーターをしていた期間が長い人ほど、正社員になれる割合が低くなっていくという結果は、気に留めておいたほうがよいでしょう。

    ぼんやりとでも正社員になりたいと考えている方は、すぐに就職活動のアクションを起こしたほうが有益であるとわかります。

    参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 労働政策研究報告書 No.213 2022 大都市の若者の就業行動と意識の変容 -「第5回 若者のワークスタイル調査」から-

    目的なくだらだらとフリーターを続けるのは就職に悪影響

    目的なくだらだらとフリーターを続けるのは就職に悪影響となり、いざ正社員になろうとしても、さらに困難な壁が立ちはだかってきます。

    ただ何となくフリーターとして働いている方、今こそ正社員を目指してみませんか?

    正社員になれば、ボーナスなどで収入が大きく増え、安定した働き方の継続が可能。

    世界観も変わり、人生の楽しみが増えてくるというたくさんのメリットがあります。

    フリーターから正社員は難しくても無理ではない!

    「フリーターからの正社員は難しい」と諦めないでください。決して不可能ではありません。

    大切なのは、あなたの意識と行動を変えること。

    適切な方向へ努力を重ねていけば、必ず正社員への道は開かれます。

    フリーターの印象を覆すことで正社員就職の可能性が高まる

    企業がフリーターに対して抱くイメージには、ネガティブなものもあります。

    しかし、あなたの経験を積極的にアピールし、仕事への意欲や熱意を伝えきれると、企業が思うフリーターの印象は覆るでしょう。

    正社員就職の可能性が飛躍的に高まります。

    「本気と覚悟」があれば進む道が開ける

    正社員就職を成功させるには、「絶対に正社員になる」という強い気持ちと、そのための努力を惜しまない覚悟が必要です。

    困難に直面しても諦めずに挑戦し続けることで、自ずと道は開けてきます。

    最初の一歩を踏み出してみよう

    あれこれ悩んでいても、状況は変わりません。

    まずは、就職支援サービスに登録してみる、求人情報を検索してみるなど、できることから始めてみましょう。

    小さな一歩が、やがて大きな前進へとつながります。

    勇気を出して最初の一歩を踏み出すことが、あなたの未来を大きく変えるはずです。

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