Web面接でバーチャル背景を使うかどうか迷っている方へ。
バーチャル背景の使用は、失礼ではありませんが、適切な背景選びと環境整備に十分な注意が必要です。
本記事では、Web面接での適切なバーチャル背景の選び方から面接を受ける場所、オンライン通話ツールの事前テストなど、Web面接準備のポイントを詳しく解説します。
正しい認識を持って、Web面接に臨んでください!
【結論】Web面接でバーチャル背景を使うのは失礼ではないが注意が必要
いざWeb面接が迫ってくると、「自宅の部屋が映ってしまうのは避けたい」と、誰もが不安になるものです。
「バーチャル背景を使えば解決するけれど、失礼にあたるのではないか……」
そんな心配から、バーチャル背景を使うべきか判断できずにいるのではないでしょうか。
結論からいうと、Web面接でバーチャル背景を使うことは、失礼ではありません。ただし、推奨されるものではない点に注意してください。
なぜなら、面接官に「部屋が汚いのか?」「見られたくないものでもあるのか?」という疑念を抱かせる可能性があるからです。
パソコンの配線や家具の配置の都合上、どうしても場所を確保できないなど、やむを得ない事情がある場合にのみ、バーチャル背景を使用するようにしましょう。

「TPOをわきまえる姿勢」を大切に
企業が見ているのは、「Web面接であっても、面接にふさわしい場所を選んでいるか?」というTPOをわきまえる姿勢です。
バーチャル背景を使用する際は、適切な背景を選び、面接に集中できる環境を整えてください。
なお、面接開始時には「本日は、通信環境の都合でバーチャル背景を使用しております。お見苦しい点があるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします」と、一言断りを入れるようにしましょう。
Web面接でバーチャル背景が受け入れられるケースが増えた理由
Web面接におけるバーチャル背景の使用が、受け入れられるようになったのはなぜでしょうか。
そこには、現代社会の働き方の変化が大きくかかわっています。
コロナ禍以降、Web面接が一般化した
新型コロナウイルス感染症流行の影響で、対面での面接が難しくなったことからWeb面接が広まり、今や採用活動における一般的な手法となりました。
多くの企業がWeb面接を経験し、Web面接のマナーも確立されてきています。
Zoomなどオンライン通話ツールの急速な浸透
もう一点、Web面接が一般化した理由には、ZoomやTeams、Google Meetなどのオンライン通話ツールが急速に普及したことも挙げられるでしょう。
これらのオンライン通話ツールには、標準機能としてバーチャル背景が搭載されています。
ツール開発者も「背景を隠したい」というニーズを想定して実装している機能であり、この機能を使うこと自体が失礼にあたるということはありません。
プライバシー保護への理解も広がっている
自宅でのWeb面接では、住環境などのプライベートな情報が背景から伝わってしまう可能性があります。
そのため、企業側もプライバシー保護の観点から、バーチャル背景の使用に理解を示すケースが増えています。
Web面接にふさわしいバーチャル背景【OK例】
「バーチャル背景は失礼ではない」とわかっても、いざとなると「どのような背景を選べばよいのだろう?」と迷ってしまうかもしれません。
ここでは、面接にふさわしい、おすすめのバーチャル背景を紹介します。
白無地またはシンプルな単色の背景
間違いのない選択肢は、白無地または淡いベージュやグレーといったシンプルな単色のバーチャル背景です。
これらの背景は清潔感があり、あなたの表情や身振りを邪魔することがありません。
なぜ無地の背景がおすすめなの?
無地の背景は視覚的にシンプルなので、面接官の注意が背景に逸れることはありません。
背景に余計なものがあると、面接官の視線が散漫になり、あなたの話に集中できなくなってしまう可能性があるでしょう。
また、面接官に集中してもらえるだけでなく、どのような業界・職種の面接でも、無地の背景は「真面目で誠実な印象」を与えることができます。
背景にぼかし機能を使ってもよい?
多くのオンライン通話ツールには、背景をぼかす機能があります。
部屋の様子を隠すという点ではバーチャル背景と同じ効果があるため、バーチャル背景の代わりにぼかし機能を使っても問題はありません。
ぼかし機能を使う場合は、背景に映るものを片付ける
ぼかし機能を使う場合の注意点として、背景に映るものはできるだけ片付ける、または白い布をかけるなどの配慮をしましょう。
いくらぼかしを入れていても、背景に映る物の輪郭は見えてしまいます。
散らかった部屋が映らないよう、事前に背景となる部分を整理整頓してください。
悪印象を与える使用してはいけないバーチャル背景【NG例】
反対に、面接で使うと悪印象を与えてしまう、不適切なバーチャル背景もあります。
以下の例に当てはまるものは、絶対に避けましょう。
キャラクターやブランドロゴの背景:真剣さが感じられない
アニメ・ゲームのキャラクターやブランドロゴが入った背景に対しては、多くの面接官が
- 「仕事に対する真剣さが感じられない」
- 「TPOをわきまえていない」
とマイナスイメージを抱くでしょう。
また、著作権や肖像権の侵害に抵触しているおそれもあり、面接の場にはふさわしくありません。
観光地やテーマパークの背景:遊び感覚だと思われる
観光地やテーマパークの写真も、面接時の背景には不向きです。
「旅行気分」や「遊び感覚」と受け取られる可能性があり、面接に対する姿勢が疑われかねません。
派手な色や模様の背景:視覚的にうるさく集中を妨げる
派手な色や模様の背景もNGです。
面接官が背景に気を取られてしまい、あなたの話に集中できなくなるおそれがあるでしょう。
バーチャル背景だからと油断しない!Web面接を受ける場所にも注意!
バーチャル背景を使えば、部屋の様子を気にしなくてもよくなります。
しかし、それだけで安心はできません。面接を受ける「場所」選びも大変重要です。
周りに人のいない静かな場所を選ぶ
Web面接を受ける際は、周りの騒音が入らない、静かで人の出入りがない場所を確保しましょう。
面接中に家族の声や生活音が入ってしまうと、集中が妨げられ、面接官からの印象が悪くなってしまいます。
自宅の部屋
最も一般的な場所は自宅の部屋です。
面接時間中は家族に声をかけないよう事前に伝えておき、ドアを閉めて静かな環境を作りましょう。
レンタルオフィスの個室ブース
自宅で面接を受けるのが難しい場合は、時間貸しのレンタルオフィスやコワーキングスペースの個室ブースを利用するのも一つの手です。
基本的にブース内はオフィス仕様となっているため、バーチャル背景を使う必要もないでしょう。
静かな環境が確保でき、プロフェッショナルな印象も与えられるため、おすすめです。
カフェでWeb面接を受けるのはNG!
「自宅だと落ち着かないから、カフェで面接を受けようかな……」
そう考える方もいるかもしれませんが、カフェでのWeb面接は絶対にNGです。
不特定多数の人が出入りする場所では、どうしても周囲の雑音が入ってしまいますし、プライバシー保護の観点からも望ましくありません。
そもそも、カフェでの通話が禁止されているケースもあります。
事前テスト必須!通信環境の確認とツールの設定
適切なバーチャル背景を選び、静かな場所を確保できたら、次は本番に向けての最終準備です。
面接当日、技術的なトラブルで慌てないためにも、事前の準備とテストは欠かせません。
安定した通信環境を確保する
Web面接では安定したインターネット接続が必須です。
面接中に映像や音声が途切れると、面接官にストレスを与えてしまいます。
可能であれば、Wi-Fiではなく有線LANを使用し、面接中はほかのアプリケーションを閉じて、通信環境の安定化に努めましょう。
ツールと背景を設定し、必ず接続テストをする
面接で使用するツール(Zoom、Teamsなど)にも慣れておくことが重要です。
バーチャル背景を使用する場合は、設定方法を事前に確認し、本番前に必ずテストを行ないましょう。
服や顔が背景と同化しないか、ちらつきが頻繁に出ないかを確認
服の色とバーチャル背景の色が似ていると、服や顔が背景と同化するおそれがあります。
また、カメラの性能やパソコンのスペックによっては、バーチャル背景を使用している影響で画質が落ち、輪郭がぼやけたり、ちらつきが発生したりすることもあるでしょう。
実際にツールを起動して、面接で着用する服装でテストを行ない、問題がないか確認してください。
問題がある場合は、バーチャル背景の色や服装を変える、バーチャル背景を使わずに白い壁を探すなど、失礼のない形でWeb面接を受けるための対策を行ないましょう。
視線は画面ではなくカメラを見る
Web面接では、つい相手の顔が映っている画面を見てしまいがちです。
しかし、これだと相手からは「下を向いている」ように見えてしまいます。
面接官としっかりアイコンタクトを取るためにも、「カメラのレンズを見る」ことを意識してください。
パソコンのカメラの位置と目線が合うように設定し、自然な視線を心がけましょう。
背景は完璧!でも、面接で話す「内容」の用意はできていますか?
背景などの見た目の準備も大切ですが、面接で重要なのは話す内容です。
面接ではどのように受け答えをするべきか、しっかり時間をかけて考えていきましょう。
質問への回答、志望動機、自己PRの準備こそ最重要
面接の合否を分けるのは、面接官からの質問にどのように回答するかという部分です。
「なぜこの会社で働きたいのか」「あなたの強みは?」といった基本的な質問を想定し、事前に回答を準備しておくことが合格への近道です。
不安があるときは、就職のプロにサポートしてもらうのも手
面接の準備は想像以上に複雑で、一人で完璧に行なうのは難しいものです。
- 「この志望動機で本当に大丈夫だろうか?」
- 「どうすれば自分の強みをうまくアピールできるのだろう?」
こうした不安があるときは、就職支援の専門家に相談することも検討してみてください。
彼らは、あなたの状況を深く理解したうえで、面接官に響く志望動機や自己PRの作り方を丁寧に教えてくれます。

失礼のないバーチャル背景を使い、Web面接本番に集中しよう!
Web面接でバーチャル背景を使用するときは、失礼のない背景を選択し、面接にふさわしい環境を整えるようにしましょう。
そして、面接で話す内容の中身に意識を向けてください。
バーチャル背景の設定一つにもこれだけの注意点があるように、面接の準備は思っている以上に奥が深いものです。
一人で準備をこなすのが不安な場合は、就職のプロのサポートを受けることも選択肢の一つとして考えてみてください。
丁寧な準備を行ない、自信を持ってWeb面接に臨みましょう!