何度応募書類を送っても、返ってくるのは不採用通知ばかり……。
「もうがんばれない」「何をやってもムダ」と、すべてを投げ出したくなってしまうのは、とても自然な心の動きです。
この記事では、あなたに「もっと就職活動をがんばってみよう!」なんてことは言いません。
むしろこの記事は、今までがんばってきたあなたに「いったんがんばるのをやめてもらう」ためのものです。
心を回復させる「就活デトックス」の方法や、しっかり休んでエネルギーが回復したあとに知ってほしい「不採用に負けない思考法」などをお伝えすることで、疲れきったあなたの心を軽くします。
ゆっくりで構いません。
この記事を読んでしっかりと心を休め、心から「もう一度歩きだしてみたい」と思えるようになっていきましょう。
その疲れ、あなただけじゃない。20代の就活で「不採用続き」が心にこたえる理由
就職活動は、あなたの日々の生活はもちろん、人生そのものに大きな影響を与えるものです。
それほど大切なことがうまく進んでいかなければ、心に大きな負担がかかるのは当たり前のことです。
「不採用が続いたくらいでこんなに落ち込むなんて……」と自分を責めることはやめましょう。
あなたが落ち込んでいるのは、あなたが弱いからではありません。
実は、就職活動がうまくいかず、疲れきってしまう20代は少なくないのです。
ここでは、20代の求職者が不採用続きによって心にダメージを受けてしまう理由をお伝えします。
これを読んで、自分の心にどのような不安や焦り、傷があるのかを感じ取ってみましょう。
「まだ20代なのに採用されない」という焦りが、心に余裕をなくさせる
一般的に、正社員を目指すなら20代は有利といわれています。
企業の人手不足が深刻な現状もあり、社会人経験がなくても、育成を前提として20代を積極的に採用する企業は多くあります。
そのような状況のなか、20代で就職活動がうまくいっていないと「自分は有利なはずなのに採用されない」という事実が重くのしかかってきます。
「自分はそんなに見どころのない人材なのか」というネガティブな思いが膨らみ、どんどん心の余裕を失ってしまうのです。
また、20代後半になると「20代のうちに何とかしなければ」という焦りも加わり、不採用が、さらに心にこたえるようになってしまうと考えられます。
努力が「不採用」の一言で否定され続けると、自己肯定感が削られていく
あなたは、就職しようと決意してから応募に至るまで、さまざまな求人サイトに登録したり、膨大な数の求人から自分に合う仕事を探したり、応募書類を何度も書き直したりと、たくさんの努力をしてきたはずです。
しかし、そうしてがんばった末に手元に届くのは、メールや紙切れ1枚の不採用通知ばかり。
「何がダメだったんだろう」と考えてみても答えは出ず、ネガティブな心で考えた末に「自分という人間がそもそもダメなのかもしれない……」というゴールにたどり着いていませんか。
この自己否定は、繰り返しあなたの心を傷つけ、自己肯定感を削っていきます。
そうしているうちに、自己肯定感は底をつき「自分なんか何をしてもムダだ」と無気力に陥ってしまうのです。
周りの友人は正社員……自分だけが取り残されている孤独感
20代は、これまで同じような歩みを進めてきた同年代の仲間たちが、就職によってそれぞれの道に分かれていく時期です。
就職活動がうまくいっていないと、「ほかの人は正社員としてキャリアを重ねているにもかかわらず、自分はキャリアのスタートラインにすら立たせてもらえない」と卑屈な気持ちが募っていきます。
自分だけが前に進んでいないような不安感や取り残されているような孤独感により、「自分は一生正社員になれないんじゃないか……」など、まったく根拠のないネガティブ思考に襲われてしまうのです。
【最重要】心が壊れる前に、試してほしい「就活デトックス」
ここからは、この記事で一番大切な話をします。
心は一度壊れてしまったら、回復するまで長い時間がかかります。
もし最近のあなたが、落ち込んで何にも手がつかなくなっていたり、何もしていないのに涙が出そうになったり、気力がわかず体を動かすことも億劫になっていたりするのなら、それは、あなたの心が悲鳴を上げているのかもしれません。
そのようなときにすべきことは、無理して就職活動を続けることではありません。
ここでは、今のあなたに必要な「就活デトックス」についてお伝えします。
自分の心が壊れてしまいそうな不安や予感を少しでも感じるのなら、まずはこれらを試してみてください。
あなたが今すべきことは、自分の心をしっかりと休ませてあげることです。
デトックスの心得1:罪悪感は不要!戦略的に休む!
「就活デトックス」とは、心を回復させるためにあなたの生活から就職活動を一度切り離すことです。
今のあなたは、不採用続きで心が疲れきってしまっています。
「少しでも早く就職しないと」と焦る気持ちはわかりますが、今の状態で就職活動を続けるのは危険です。
疲れた心と焦る気持ちが判断能力を狂わせ、望まない就職をすることになりかねません。
今は「就活デトックス」をして、就職活動をいったんお休みしましょう。
休むということに対して罪悪感を抱いてしまうかもしれませんが、しっかり休む時間を取るからこそ集中して物事に取り組むことができるのです。
「休む時間も就職活動を乗り切るための戦略」と考え、いったん就職活動から戦略的に距離を取りましょう。
デトックスの心得2:最低3日間、求人サイトやSNSから物理的に距離を置く
「就活デトックス」をするときは、最低でも3日間、就職活動にかかわることは一切してはいけません。
求人サイトを検索するのはもちろんNG。
もしも就職活動に関する情報や体験談が流れてきてしまうのであれば、SNSを開くのもやめましょう。
「就活デトックス」中は、自分の心と体を休めることに専念してください。
規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分に取り、栄養のあるものを食べましょう。
何をしていても就職活動のことを考えてしまうという人は、ゲームやYouTubeなど、自分の趣味に没頭するのもよいでしょう。
また、ソロキャンプや筋トレなど、「やりたい」と思っていたけど後回しになっていたことがあれば、挑戦するのも心の栄養になります。
デトックスの心得3:就活とはまったく関係ない、短期のアルバイトなどを入れてみる
もしもあなたが、就職活動をせずに自分の好きなことをすることに強い罪悪感を抱いてしまうなら、短期のアルバイトをしてみるのがおすすめです。
人手不足が問題になっている今、多くの職場でアルバイトを募集しています。
例えば、これまでは客として利用していた行きつけのラーメン屋や映画館で働いてみたり、イベントスタッフをしてみたりなど、あなたにとって非日常の世界に飛び込んでみましょう。
あくまでも労働なので、遊んだり休んだりするときのように強い罪悪感を抱かずに「就活デトックス」をすることができるでしょう。
ポイントは、あくまでも「就活デトックス」の一環だということを忘れないことです。
リフレッシュするための行動なので、就職を希望している業界や職種は避け、あなたの心が動くことに挑戦してみましょう。
エネルギーが少し回復したら。不採用に負けない思考法
「就活デトックス」が終わっても、焦ってはいけません。
「また就活を始められるかも!」と思えたとしても、すぐに全力で走り出すのは禁物。
まずは自分の心と体の状態をしっかり確認しましょう。
もし、「まだエネルギーが回復していない」と感じたら、焦らずに「就活デトックス」の延長を検討してください。
「少しエネルギーが回復してきた」「就活を再開したい」と感じたら、次は不採用に負けない考え方を身に付けましょう。
ただし、どのような挑戦にもリスクはあります。
就職活動という挑戦を再開した結果、また不採用になることもあるでしょう。
しかし、不採用が避けられないとしても、今のうちに少し考え方を変えておけば不採用で受けるダメージを減らすことができます。
「内定」というゴールの手前に「1社応募(ご褒美つき)」のゴールを作る
どのような挑戦も、ゴールをあまりにも遠い場所に設定すると、モチベーションを保つのは難しいものです。
就職活動の最終的なゴールは「内定」です。
しかし、ゴール設定を「内定」だけにしてしまうと、内定が出ない間は常に「ゴールにたどり着けない自分」というネガティブな自己評価をし続けることになってしまいます。
これでは、ポジティブに就職活動を続けるのは難しいですよね。
そこで、「内定」という最終的なゴールよりも手前に、小さなゴールをたくさん設定しましょう。
例えば「1社応募する」という小さなゴールと「行きつけのラーメン屋でチャーシューをトッピングする」という小さなご褒美を設定すると、「内定」に比べて目標が達成しやすく、ご褒美もついてくるためモチベーションを維持しやすくなります。
さらに、「採用か不採用か」という他人の評価ではなく「応募したか応募していないか」という行動が評価の軸になるので、応募さえしておけば不採用続きでも自信を失うことはありません。
「小さなゴールを達成し続けているうちに、気付けば最終的なゴールにたどり着いていた」という道筋を自分に作ってあげましょう。
不採用通知は「自分が否定された」通知ではなく「マッチングしなかった」通知ととらえる
不採用通知が届くと、まるで自分のすべてを否定されたように感じてしまうかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです。
就職活動は学校のテストや資格試験などとは違い、合格基準がとても曖昧なものです。
合格基準は企業ごとに異なるのはもちろん、同じ企業であっても時代や募集のタイミングによって、求める人材は変わります。
外見も内面もパーフェクトな人が、必ずしも本命の相手を射止められるわけではないように、応募書類の内容や面接の受け答えがどれだけ完璧であっても、落ちるときは落ちるのが現実です。
不採用は、必ずしもあなたに落ち度があるわけではなく、あなたと企業が求めるものとがマッチングしなかっただけのことです。
不採用通知は「あなたではうちの合格基準に達していません」という通知ではなく「あなたはうちの企業とマッチングしませんでした」という通知に過ぎません。
次また不採用になったとしても、「この企業とは縁がなかった」という事実だけを受け取り、あなたとマッチングする企業に出会えることを目指して歩みを進めましょう。
最後に1社受かったら就活は成功!就活のハードルを下げてみる
あなたの就職活動の目的はなんですか。
「特定の企業に絶対採用されること」でしょうか。
もしそうなら、その会社にすべてを賭けて緻密な戦略を立ててから、就職活動に臨まなければなりません。
しかし、おそらくあなたの就職活動の目的は「自分に合った企業に正社員として採用されること」ではないでしょうか。
もしそうであれば、あなたが自分に課している就職活動のハードルを少し低くしてみませんか。
この就職活動は、あなたに合う1社から内定が出れば大成功です。
その過程で、どれだけの企業を不採用になっても関係ありません。
10社に応募して10社から内定をもらう必要はないのです。
「10社受けて1社受かればOK」という軽い気持ちで考えましょう。
まとめ:「疲れた」自分を受け入れて、あなたのペースで再スタートしよう
ここまで記事を読んで、「いったん就職活動から離れて心を休ませよう」と思ってくれたでしょうか。
今あなたがこれほど疲れているのは、就職活動に真剣に向き合ってきた証拠です。
ここまで歩んできた自分を認め、疲れている自分を受け入れることが、また歩き出すための一番の近道です。
今は、心が壊れる前に「もう疲れた」と立ち止まり、この記事にたどり着いた自分をほめてあげてください。
壊れてしまった心は、簡単には元に戻りません。
あなたの心を守れるのはあなたしかいないのです。
しっかりと心を休ませてエネルギーがチャージできたら、あなたのペースでゆっくりと歩き出してみましょう。
今回のポイントをおさらい
不採用続きで疲れてしまった自分に気付いたら、就職活動とはいったん距離を置き、心と体をしっかり休ませましょう。
最低3日以上就職活動から距離を置いて好きなことに没頭する「就活デトックス」で心と体をしっかり休めても、焦りは禁物。
次にすべきことは就職活動を再開することではなく、不採用に負けない思考を作ることです。
不採用通知は、あなたの人格や人生を否定するものではなく、その企業とマッチングしなかったというお知らせに過ぎません。
あなたが自分に合った企業で正社員になりたいと望むなら、「10社のうち1社受かればいい」くらいの軽い気持ちで、自分のペースで行動を続けましょう。
20代は十分に正社員を目指せる年代です。
心が疲れきってしまわないよう上手にストレスを発散しながら行動を続けていけば、あなたにぴったりの企業との出会いが、きっと待っているはずです。
一人きりで再スタートする自信がないあなたへ
- 「休み方や考え方はわかったけど、一人になると焦ってまた無理をしてしまいそう……」
- 「今の自分がどんな状態かわからない」
- 「自分のペースを客観的に見て、励ましてくれる人がいたら……」
そんなふうに悩んでいるなら、就活のプロの手を借りましょう。
就職支援サービスは、就職に関するさまざまな相談に乗ってくれるのはもちろん、応募書類の添削や面接対策、ビジネスマナーの指導など、就職に必要なスキルを身に付けることができるサービスです。
フリーターや未経験者に特化したサービスもあり、専任のアドバイザーがあなたに寄り添い、あなたの就職活動を成功へと導いてくれます。
基本的に無料で利用できるので、一人で就職活動を続けていくのが難しいと感じているなら、ぜひ一度、就活のプロにあなたの不安を打ち明けてみましょう。
