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FAQ追加で「AIによる概要(AI Overviews)」からの引用率が劇的に改善した検証事例|サクラサクR&Dチームによる最新調査結果

2025年12月24日

サクラサクマーケティング編集部

はじめに

Google検索結果の上部に表示される「AIによる概要(AI Overviews)」(旧SGE)は、ユーザーの検索体験においてその存在感を急速に高めています。

AI Overviewsに自社サイトの情報が引用されることは、単なる露出増にとどまらず、認知拡大、当該領域での信頼性向上、そして最終的なWebサイトへの流入機会の増加といった、SEO戦略上無視できない大きなメリットをもたらします。

多くのサイト運営者がAI Overviewsへの最適化を模索するなか、サクラサクR&Dチーム*は「記事ページへのFAQ追記」という比較的シンプルな施策が、AI Overviewsの引用率改善にどの程度寄与するのかを検証しました。本記事では、その詳細な結果と考察を報告します。

*サクラサクマーケティングのR&Dチームとは:
当社CTOの山崎を中心とした、SEO・AI領域に精通したメンバーで構成される専門組織です。検索エンジンやAIの進化を継続的に研究・検証しており、AI時代のSEO施策や記事制作のご相談にも対応しています。

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▼別角度から攻める!AI Overviews対策はこちら:『AIによる概要(AI Overviews)からの引用率を高める7要素とは?AIO内の順位も改善した検証事例|サクラサクR&Dチームによる最新調査』

注記:AI Overviewsのアルゴリズムや形式は日々進化しています。常に最新の情報を確認するなど、柔軟な対応が必要です。

この記事の監修者|シニアコンサルタント T.U.

サクラサクマーケティング株式会社
シニアコンサルタント/R&Dチーム構成メンバー

2007年よりWebマーケティング業界に従事し、Webの黎明期に参入しSEOや各種広告運用、制作ディレクターなどを幅広く担当。
ロジックと定量的な結果を重視し、中小から大手まで業種業態を問わず数多くのサイトをサポートしている。
顧客の課題解決の幅を広げるべく日々アンテナを広げ、最近はWebマーケにおけるAI領域にも積極的に関与。

Google AI Overviewsの基本的な理解

GoogleのAI Overviewsとは、検索クエリに対してAIが生成した回答を検索結果の上部に表示する機能です。

日本語では「AIによる概要」とも呼ばれています。この機能は、ユーザーの疑問を効率的に解消し、多角的な情報を提供する点が特徴です。

AIOが表示される条件や、どのようなリンクが引用されるのかなど、その仕組みにはまだ多くの疑問が残されています。これらの疑問を解明するため、現在も精力的な調査・分析が進められています。


▼AI Overviewsの基礎から全体像まで理解したい方はこちら:『「AIによる概要(AI Overviews)」とは?SEOへの影響とウェブサイト運営者が今すぐやるべき対策』

検証の概要

今回の検証は、以下の目的および要領で実施しました。

目的

既存記事コンテンツへのFAQ追記が、AI Overviewsの引用率にどのような影響を与えるかを測定する。

対象クエリ

特定のジャンルにおいて、以下条件を満たしたキーワードを対象としました。

  • AI Overviewsの露出が確認できているキーワード
  • 自社ページが検索結果10位以内にランクインしているキーワード
  • AI Overviewsで引用されていない自社の関連キーワード

施策内容

対象となる記事ページの末尾に、以下の条件でFAQを追記しました。

  • 関連するFAQ(よくある質問と回答)を4〜5つ追記
  • FAQを合計文字数800〜1,000字程度で追記
  • 構造化データを追加

この方法は、記事本文の全体構成や論理展開に影響を与えにくく、ユーザー体験を損なうリスクも小さいと判断しました。※実装イメージについては、本記事文末のFAQをご参照ください。

サクラサクR&DチームT.U.からのコメント:AI Overviewsを狙うKW選定については、AI Overviewsに表示されるKWは時間単位で変わっており、100%正確に把握することは現実的に難しいため、ある程度感覚に頼る場面も出てきます。

また、FAQは記事に即した内容が前提となるので、原則ユニークに作成することも重要となります。

実装においては、順位低下等のリスクが少ない、大半の記事コンテンツで対応可能、シンプルで実装工数が小さい場合が多い、といった特徴もあり対策しやすい施策ではないでしょうか。

検証結果

施策実施(FAQ追記)の前後で、対象キーワードのAI Overviewsの引用率と自然検索の平均順位を比較しました。

NOワード引用率自然検索の平均順位
対策前対策後差分対策前対策後差分
1キーワードA50.0%77.8%27.8%1.31.6-0.3
2キーワードB0.0%88.9%88.9%2.52.10.4
3キーワードC0.0%100.0%100.0%8.38.10.3
4キーワードD50.0%100.0%50.0%7.03.04.0
5キーワードE25.0%44.4%19.4%2.01.50.5

※引用率:各キーワードが一定期間中に引用された平均値(日々の引用の有無を平均したもの)

引用率の変化

最も注目すべき結果として、検証したすべての対象キーワードでAI Overviewsの引用率が改善しました。

特に「キーワードC」では0.0%から100.0%へ、「キーワードB」では0.0%から88.9%へと、劇的な改善が確認されました。この結果から、FAQの追記はAI Overviewsの引用に対してポジティブな影響を与える可能性が考えられます。

検索順位への影響

AI Overviewsの引用率だけでなく、自然検索の平均順位にも軽微な上昇が見られました。順位の上昇は目的としていませんでしたが、結果的に5キーワード中4キーワードで順位がプラスに働く結果となりました。

ただし、「キーワードD」を除いてキーワードの順位変動幅は比較的小さく、通常の順位変動の誤差の範囲内とも捉えられます。そのため、FAQ追記が直接的に順位上昇に寄与したと断言するのは現時点では難しいでしょう。

考察

今回の検証結果について、FAQという形式を取ることで、「明確な質問」と「それに対する簡潔な回答」のセットを追記したことにより、GoogleのAI Overviews生成アルゴリズムがその部分を「ユーザーの疑問に対する直接的な回答」として認識しやすくなった可能性が考えられます。

また、軽微な順位上昇も見られましたが、こちらは誤差の範囲でもあり、直接的な因果関係は不明瞭です。

とはいえ、Google検索だけでなく、さまざまなAIプラットフォーム(ChatGPT, Perplexityなど)がインターネット上の情報を参照して回答を生成する時代において、自社コンテンツを「AIにとって引用しやすい形」の対象の一つとしてFAQを設置しておくことは、今後のAIの対策において抑えておくべき要素になると考えられます。

施策のポイント

今回の「FAQ追記」施策は、多くのWebサイトで応用可能です。実施にあたっては以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

メリット

・低コスト・低リスク
記事の主題や構成を大幅に変更する必要がなく、記事末尾にFAQを追加する形であり、ユーザー・SEO視点の双方でデメリットが少ないと考えます。また、既存ページの評価を損なうリスクも小さく、比較的低コストで実装が可能です。
・ユーザー体験の補完
本文を読んだユーザーが抱く可能性のある補足的な疑問に答えることで、ユーザーの検索意図をより満たし、満足度を向上させる効果も期待できます。

留意点

・上位表示が前提条件
AI Overviewsは基本的に、自然検索で上位表示されているページ(特に1ページ目)から情報を引用する傾向があります。AI Overviewsの引用を狙うには、まず対象キーワードで一定の順位を獲得していることが前提条件となります。
・コンテンツとの関連性
追記するFAQは、当然ながら記事本文の内容と深く関連している必要があります。関連性の低いFAQを羅列しても、AI Overviewsに評価されにくいばかりか、ユーザーにとっても価値のないコンテンツとなってしまいます。

まとめ

今回の検証から、既存記事の末尾に関連するFAQを追記することで、AI Overviewsでの引用率を高められる可能性があることがわかりました。

自然検索順位への直接的な影響は限定的かもしれませんが、AI OverviewsをはじめとするAI生成コンテンツに自社情報が取り上げられる確率を上げることは、中長期的なブランド認知や信頼性構築の観点から非常に価値のある施策です。

比較的シンプルかつ低リスクで実施できる施策であるため、まずは検索順位が安定しており、AI Overviewsの引用を強化したい重要な記事ページから、順次FAQの追記を検討してみてはいかがでしょうか。

AI Overviewsに限らず、SEOやAI対策をご検討中の方は、コンサルティングや無料LLMO診断サービスなどもご提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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AI Overviews(AIによる概要)に関するよくある質問

 ※本記事の推奨ルールに基づくFAQ記述例    

Q1 AI Overviews(AIによる概要)とは何ですか?
A

AI Overviews(AIによる概要)とは、Google検索の最上部に表示される生成AIを用いた回答表示機能です。検索キーワードに対し、AIがWeb上の情報を統合・要約し、質問の意図に即した「簡潔かつ包括的な答え」を提示します。単一のページを抜粋する従来の強調スニペットとは異なり、複数の情報源をもとにAIがテキストを生成するのが最大の特徴です。
Q2 AI Overviewsに引用されるための主な条件は何ですか?
A

Googleから公式基準は公開されていませんが、サクラサクR&Dチームの検証により、引用されやすい傾向として以下の4点が確認されています。

  • 検索順位: 自然検索で1ページ目(特に上位)に表示されていること。
  • 構造化: 質問と回答が明確に分かれている「FAQ形式」であること。
  • 簡潔さ: AIが認識しやすい、結論ファーストの記述であること。
  • 信頼性: サイト自体の専門性や信頼性が担保されていること。
Q3 記事にFAQを追加すると、なぜ引用率が上がるのですか?
A

記事内にFAQ形式(Q&A)を追加することで、AIがその部分を「ユーザーの疑問に対する直接的な回答」として認識しやすくなるためです。AIは長文の中から答えを探すよりも、質問と回答がセットで整理された情報を優先して参照する傾向があります。
Q4 FAQを追加することで、SEOの順位が下がるリスクはありますか?
A

コンテンツが変更されるので、下がる可能性もあります。ただし、追加するFAQはページのテーマや内容に関連する情報であることが大前提なので、明らかに精度が低いコンテンツでなければ、可能性は低いでしょう。ユーザーの疑問を解決する補足情報として追記することが重要です。
Q5 AI Overviewsと従来のSGE(Search Generative Experience)の違いは何ですか?
A

SGEはAI検索機能の「試験運用版」の名称であり、AI Overviewsはその「正式名称(正式実装版)」です。機能のベースは同じですが、AI OverviewsはSGE時代に比べて表示速度や回答精度が向上しており、引用ロジックも進化しています。現在は「AI Overviews」または「AIによる概要」と呼ぶのが一般的です。

この記事の監修者|シニアコンサルタント T.U.

サクラサクマーケティング株式会社
シニアコンサルタント/R&Dチーム構成メンバー

2007年よりWebマーケティング業界に従事し、Webの黎明期に参入しSEOや各種広告運用、制作ディレクターなどを幅広く担当。
ロジックと定量的な結果を重視し、中小から大手まで業種業態を問わず数多くのサイトをサポートしている。
顧客の課題解決の幅を広げるべく日々アンテナを広げ、最近はWebマーケにおけるAI領域にも積極的に関与。

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