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こんにちは。サクラサクマーケティング株式会社、社長のねぎおです。
最近のSEO界隈でもAIの話で持ち切りですね。
今回は、2025年3月のGoogleコアアップデートを機に急増している「AI Overviews(AIO)」表示について、検索結果の変化とそれに伴うSEO戦略の見直しについてお伝えしたいと思います。
この記事は、Search Engine Landの下記、参考記事を参考にねぎお視点で整理・見解をまとめています。
Your 2025 playbook for AI-powered cross-channel brand visibility
https://searchengineland.com/your-2025-playbook-for-ai-powered-cross-channel-brand-visibility-454026
Google AI Overviews spike after March 2025 core update
https://searchengineland.com/google-ai-overviews-spike-march-2025-core-update-453841
こちらの動画でも解説しておりますので是非ご覧になってくだい。
背景:AIO表示急増で検索環境が激変
3月中旬から下旬にかけて行われたコアアルゴリズムアップデート直後から、Google検索結果にAIOが表示されるクエリが爆発的に増えました。
特にエンタメ・レストラン・旅行といったインフォメーショナルクエリで顕著な変化が起きています。
AIOは検索結果上部に生成AIが要約回答を表示する機能で、2024年8月に一部リリースされて以来徐々に拡大してきました。
これまでは「○○とは」「~のやり方」など単純なインフォメーションクエリ中心だったAIOが、『大阪万博 料金』、『大阪万博 チケットいつから』などの比較検討や行動志向のクエリにも及んできた点は注目すべき変化です。
従来であれば自社サイトに流入していたユーザーが、AIOの中で完結してしまう現象が起きているわけです。
今回のアップデートで日本の検索結果にも本格展開されたことで、多くのユーザーが検索でまずAIの要約を見る体験が一般化しつつあります。
実際、米国では全検索キーワードの約18%でAIOが表示されているという調査もあり、検索ユーザーの当たり前が変わり始めた今、サイト運営者として対応策を練る必要があります。
分析:AIO登場による流入減少リスクとその実態
AIOが検索上で回答を完結させてしまうことで、サイトへのクリックが発生しない「ゼロクリック検索」が増えるのではと以前から懸念されています。
ユーザーからすれば「質問に対してその場で答えが得られる」のは便利ですが、サイト運営者にとっては検索流入の減少に直結するからです。
結論から言えば、特にインフォメーショナルクエリでは流入減少の兆候が確認されています。
弊社事例でも、AIOが表示されているページは表示前後で平均5~10%ほどオーガニック流入が減少するケースが見られました。
中には、掲載順位に変動がないにもかかわらずクリック数が激減した例も報告されています。
こうした大幅減少が起きたのは、例えば「用語の意味・定義」を答えるだけで、ユーザーが満足してしまうクエリ、インフォメーショナルクエリを中心に発生しています。
一方で、すべてがネガティブではありません。
AIOに自社の情報が取り上げられた場合には、むしろ流入増加につながるケースもあります。
自社サイトが最上位にされていなくともAIOに一部コンテンツが採用されることで、流入できる可能性は以前よりも高くなるためです。
要するに、AIOに「選ばれるか否か」で明暗が分かれる状況です。
特に競合サイトが多いテーマの場合、従来オーガニック検索で上位表示が難しかったページでもAIOに引用されれば一気に認知獲得や流入増に結びつく可能性があります。
実際、AIOに表示されるURLの約60.9%は自然検索順位20位以内のページですが、裏を返せば約40%は20位以下から引っ張られているとの調査もあります。
参考: https://note.com/seolabochannel/n/ne84a10b1b341
このため、今まで埋もれていた良質なコンテンツがAIO経由で脚光を浴びるチャンスも生まれています。
なお、すべてのクエリでAIOが出現するわけではない点も押さえておきましょう。
Googleは「検索結果より価値を提供でき、高品質な回答を生成できる確信度が高い場合」にAIOを表示するとしています。
参考: https://search.google/pdf/google-about-AI-overviews-AI-Mode.pdf
逆に言えば、YMYL領域(お金や健康に関するテーマ)で信頼性が極めて重要な場合や、最新ニュースなど鮮度優先の情報ではAIOは控えられる傾向にあります。
例えば医療系キーワードや金融商品に関する検索では、2025年4月現在でもAIOが表示されにくいようです。
このため自社の業種によっては直接的な影響がまだ限定的かもしれません。
しかし、Googleは公式に「AIOは検索体験の一部」と位置づけており、AIモードの正式導入はじめ、今後技術が洗練されればより幅広い領域で導入される可能性も否定できません。
「自分の業界は関係ない」と油断せず、先手を打って準備しておくことが重要です。
対策と戦略:AIO時代に今取り組むべき施策
以上の分析から見えてきたのは、従来型のSEOだけに固執していてはリード獲得の機会を逃しかねないという現実です。
AI検索の台頭により、かつてSNSが普及した時と同様に、Google検索経由の流入が相対的に減るトレンドが始まっています。
しかしこれは決して「SEOの終焉」を意味しません。
むしろSEOが新たな形に進化しているのです。
そこで、AIOが当たり前になったこれからの検索環境で、サイト運営者が取るべき具体的な施策を整理してみました。
1. CVワード&サービス系キーワードのコンテンツ強化
情報収集系での流入減少が懸念される今こそ、コンバージョン直結のクエリや自社サービスに関する検索で確実にユーザーを取り込む戦略が重要になります。
具体的には、商品・サービスの比較検討や購入を検討しているユーザー向けのコンテンツ、いわゆるミドル~ボトムファネルのコンテンツを充実させましょう。
例えば資料請求やお問い合わせ、予約に繋がるようなページの情報を手厚くし、ユーザーの不安や疑問を解消できる内容にアップデートします。
こうしたCV(コンバージョン)キーワードは、ユーザーが具体的行動を起こす意図が強いため、AIOに簡潔な回答を表示されにくい傾向があります。
※実際、Googleは重大な意思決定が絡む場合は慎重になる傾向にあります。
もしAIOが表示されたとしても、最終的な申込みや購入はサイト上で行う必要があるため、流入後の誘導設計次第で十分挽回可能です。
逆に言えば、この段階のコンテンツが弱いサイトは、せっかく上位表示されてもAIOや他社サイトにユーザーを奪われかねません。
今一度、自社のサービス紹介ページやランディングページを見直し、商品・サービスの価値提案や信頼性(証拠となる実績やレビュー)を強化しましょう。
「最後の決め手」を提供できるコンテンツが、これまで以上に重要になっています。
2. 「AIに選ばれる」コンテンツ最適化(AIO/LLMO対策)
情報収集段階のユーザーを完全に諦める必要はありません。
AIOに自社のコンテンツを引用・採用させる工夫を凝らすことで、依然として露出機会を確保できます。
ポイントは従来のSEOと共通する部分も多いですが、以下の点に注目してください。
- E-E-A-Tの徹底(専門性/権威性/信頼性/経験)
- 見出し直下に簡潔な結論を配置
- 要点を箇条書きや表で明示
- 一次情報の提供、専門家監修の記載
- 構造化データ(schema)対応
- llms.txtなどAI向け新フォーマットへの関心
※構造化データとAIO出現の直接的相関は未確認ですが、サイト理解の補助には有効です。
参考:https://www.suzukikenichi.com/blog/does-structured-data-help-search-engine-llms-understand-your-content/
総じて、「AIにも理解しやすい、ユーザーにとって価値のあるサイト」をつくることが最適解です。
3. ブランド認知の向上と指名検索・CV導線の強化
AIO時代にはブランド力の有無がこれまで以上に集客に影響します。
なぜなら、情報収集段階で自社サイトへの流入が減る分、ユーザーに直接「ブランド名」で指名検索してもらえる存在になることが重要だからです。
たとえば「ホテル口コミサイト」ではなく「トリップアドバイザー」と検索される状態が理想です。
そのために必要なのは:
- SNSやブログでの継続的な情報発信
- 業界イベントやウェビナー登壇による認知向上
- プレスリリースや寄稿など外部露出
加えて、サイトに訪れたユーザーをスムーズにCVへ導くUX設計の見直しも欠かせません。
指名検索される=CV率が高いユーザーのため、離脱せず成果に直結させる構成を整えましょう。
4. SEO以外のチャネルも含めた全方位型集客
最後に、集客チャネルの多様化です。
Google検索以外にも、SNS・動画・外部メディアなどの接点を持つことが今後ますます重要になります。
おすすめチャネル:
- X(旧Twitter)、Instagram、TikTok などSNS発信
- YouTubeやポッドキャストなどの音声・映像コンテンツ
- LINE公式やメルマガなどのCRMツール
- 他社メディアへの寄稿やコラボ連携
検索依存から脱却し、より多くの流入元を持つことで、アルゴリズム変化やAIOの影響にも強くなります。
まとめ:SEOの進化形としてAIOを捉え、戦略的に対応を
「これからはSEO対策しても意味がないのでは?」という不安も聞かれますが、それは早計です。
SEOは終わりではなく、“進化”のフェーズに入りました。
AIOやLLMO(Large Language Model Optimization)に対応していくことが、これからのスタンダードになるでしょう。
ユーザーファーストの姿勢と、本質的な価値提供。
それが、検索にもAIにも選ばれるコンテンツ・ブランドづくりの鍵です。
これからも一緒に、「進化形SEO戦略」を実践していきましょう!
では、また次回のメルマガで!
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